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            日常の風景   NO.0092
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お釈迦様の気分

ミズスマシによく似たちいさな昆虫は、完全に空中に浮かんでいた。
そのそばを2匹の蝶々が、戯れるように、ヂグザクに飛んでいた。
糸トンボも2匹、のんびりと空に静止するように羽をひろげていた。

2匹に見えるが、実は蝶も、とんぼも1匹だけなのだ。

陽が落ち、闇が地上を支配する直前。
黄昏のある一瞬。
お堀のみなもは、完全にその境界を消し去り、
地上の風景と、水中の風景とがひとつの空間に溶け込んでしまった。

お堀端、桜の老木のそばにたたずんで、その風景を見下ろしているわたし。
ミステリーポイントと呼んでも差しつかえがないような、
そんな現象が現れる場所では、天候などよほどの好条件に恵まれたとき、
一日のある時間、ほんの一瞬、覗き見ることができる。

お堀の水に墨絵のように沈んでいる、影の若葉と、
お堀のみなもに触れんばかりに枝をのばしている地上の若葉。
虚と実に囲まれた空間に、空の明るさがくっきりと映し出されていた。

空に浮かんだように見える、ちいさな昆虫が、
わずかに動くと、透明の波紋がかすかにひろがる。
それらはまるでコンピュータグラフィックの世界である。

完全に透明の物体を表現するために、わざわざ空間にゆがみを与えて、
ゆがみの屈折したひかりだけで、透明の物体を表現するテクニック。

天空の穴から眺めた下界の様子は、適当に白い雲が浮かび、
その中を、カラスが鳩が雀がときおり横切ってゆく。

わたしは、すぐに芥川龍之介の小説「蜘蛛の糸」を思い出していた。
たぶん天界のお釈迦様もこのような気分だったのだろう。

残念なことに、わたしには手近なところに蜘蛛がいなかったので、
近くに落ちていた、わくら葉を数枚ひろって、天空から下界に投げ入れた。



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sceneryの風景

2.3号前の「sceneryの風景」に今年は、北欧旅行を計画していると書きました。
今、わたしに北欧の通俗的な観光地のことはなんでも聞いてみてください。
かなり詳しくなりました。

でも、北欧は物価が高いですね。
あまり、安ホテルもないようですし、すこし費用がかさみそうです。

フィンランドのヘルシンキに入って、
デンマークのコペンハーゲンから出る計画です。

ヘルシンキ → ストックホルム だけはフェリーで移動する予定ですが、
ストックホルムから先、オスロ → ベルゲン → コペンハーゲンの移動は、
すべて列車での旅を考えています。

列車はユーレイルパスのようなチケットがありますので、
なんとかなりそうなのですが、問題はエアーチケット。

9月、ヘルシンキまで一番安いエアーチケットは、92000円。
コンビネーションチケットと呼ばれるもので、
キャセイ航空とブリテッシュ航空がコンビを組んで売り出しているもの。

しかし、これはヘルシンキに入るまでに、
関空 → 香港 → ロンドン → ヘルシンキ というルートです。

シンガポール航空も安いですが、これも、
関空 → シンガポール → アムステルダム → ヘルシンキ と飛びます。
100000円ほどです。

安いチケットは、時間がかかるのです。
往復で2日ほど無駄になります。
リタイアしたあとなら、時間がかかっても、迷わず決めますが、
今は、時間も大事なのです。

フィンランド航空なら、AM11時に関空を飛べば、同日の15時過ぎには
ヘルシンキに到着します。
時差の関係もありますが、実質10時間ほどしか、かかりません。
北欧というのは、日本からは一番近いヨーロッパだったのですね。

ですが、料金は一気に跳ね上がって、15万6千円。
9月の旅行で、夏のボーナスをすべてはたくことになりそうです。


がらりと話は変わりますが、
みなさん、明日の参議院選挙には、ぜひ投票に行ってくださいね。
何党のだれそれに投票してくださいとヤボなことはいいません。
でも、棄権は危険です。

国民が国政に参加できる唯一の機会なのです。
国民が、政治に関心をもたないと、
日本は、どんどんおかしな方向に流れてゆきます。



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