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　　　　　　　　　　　　日常の風景　　　NO.0109
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幸せについて

昨年末に、ある本のなかで素敵なことばに出会った。
たとえ平凡なことばで、短いフレーズにすぎなくても、
いつまでもこころのなかにとどまることばというのは確かに存在します。

「幸せは感じるもので、求めるものではない」
たったこれだけのことばが、わたしにいろいろなことを考えさせてくれました。

幸せを求めるというのは、同時に不幸も求めることになるというのである。
幸せを求めるということは、幸せのカテゴリーを自分で決めることに他ならない。

「わたしはそんなに多くの幸せは求めていないわ、
お金もそんなにいらないし、ただ家族健康でみんな仲良くできればいいの」
確かに、ささやかな幸せの追求です。

ですが、たとえささやかであっても、幸せのカテゴリーを自分で決めてしまうと、
その枠からはみ出したときには、即、不幸に陥るということです。

一生家族が健康ということはあり得ませんし、
親子や兄弟で喧嘩することもあるでしょう。
その、ささやかな枠にさえ、まだ入れないひとも多くいます。

たとえ、リストラされていても、家族に病人をかかえていても、
日常生活を送るなかで、幸せを感じる瞬間というのはみんなあるはずです。

わたしのＨＰの表紙には以下のような言葉を載せています。

「とりたてて、変わったことのない、
平凡な日常。
その日常の積み重ねこそが人生。
毎日のちいさなよろこび、哀しみ。
それらの味わいこそが、生きているということ」

もともと、このことばの作者と同じようなことを考えていたのです。
だから、よけいこころに残ったのかもしれません。
「幸せ」というまぼろしのような枠組みを、じぶんで取り払ってしまう。
そうすれば、ずいぶんと自由になるような気がしませんか？

「幸せは感じるもので、求めるものではない」

たったこれだけのことばですが、素敵なことばです。



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ｓｃｅｎｅｒｙの風景

みなさんあけましておめでとうございます。
本年度最初の「日常の風景」です。
ほんとうは「幸福について」は、sceneryの風景のなかで簡単にふれるつもりで、
メモしておいたのですが、とうとう本文にしてしまいました。

幸せを求めないということは、別の言葉で言い換えれば、
こだわりをなくそうということになるのでしょうか？

でも、こだわりには、いいこだわりと、悪いこだわりがあります。
こだわりが文化そのものですし、芸術もこだわりから生まれます。

意識して、努力して、
悪いこだわりをなくし、もっと自由に風通しよく生きたいものですね。



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