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            日常の風景   NO.0175
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千春のふるさと

以下は、今から30年近く前にかかれた松山千春の「ふるさと」という歌詞です。
一度、ゆっくりと情景を目に浮かべながら読んでみてください。

喫茶店でほおずえついて
誰か待つようなふりをして
タバコの煙目にしみただけ
こぼれる涙ぬぐおうともせず
田舎者とは悟られぬ様
3杯目のコーヒー頼んだ

いくら何でも3杯飲めば
それもしっかり飲み干せば
店の雰囲気冷たい視線
気まずい思いかみしめて
いやだいやだと呟きながら
人の波にのまれる

夢なら今もこの胸の中
深く閉じ込めたまま
深く閉じ込めたまま

緑の電車飛び乗るように
街は灯りを点し出す
電車の窓に息を吹きかけ
指でなぞった 故郷と
押されて気付き慌てて消した
小さく書いた 故郷

電車を降りていつもの道を
ひとりトボトボ歩き出す
幸せそうな灯りがもれる
一家暖らん笑い声
寂しくは無い空を見上げた
星はにじんで輝く

夢なら今もこの胸の中
深く閉じ込めたまま
深く閉じ込めたまま

急いで探す公衆電話
百円玉の黄色いやつ
声が聞こえる 父さん母さん
強く受話器握り締め
帰りたいさ今すぐにでも
それが言えずに 「それじゃまた」

夢なら今もこの胸の中
深く閉じ込めたまま
深く閉じ込めたまま


前号の日常の風景174号で、わたしは
「田舎から都会にひとりで出てきた女性が、夢破れ、
もうふるさとに帰りたいのだけれど、それが言い出せない切なさを歌った佳作である」
と、書いた。

わたしはこの歌が好きで、ときどきカラオケなどでも歌うときがあるのだが、
あたまの中では、ずっと都会で、夢破れた女性をイメージしてきた。

ところが、わたしのメルマガを読んだ、相棒が、
わたしが書いたものにびっくり仰天して、
「ふるさと」の主人公は絶対に男性だと言い張るのである。

彼女がこの歌を聴いて涙ぐむ訳もわかった。
学校を出てすぐに都会に働きに出された、自分の兄の姿が目に浮かぶのだという。

確かめるために、ふたりでもう一度この歌をじっくりと聴いてみた。
わたしはしぐさが女性そのものだと主張した。
よく考えてみれば、わたしの論点はその一点しかない。

彼女は30年前は、喫茶店でタバコを吸う女性は少なかった。
田舎者を気にするのは、女性よりも男性。
夢に期待をかけるのは、どちらかといえば、男性のほうが多い。
女性なら、喫茶店に気を遣って、3杯目のコーヒーは絶対に頼まない。
など、論点がバラエティに富んでいて、説得力がある。

結局インターネットで調べてみた。
松山千春が高校時代の男の友人を思い浮かべて作詞したということが判明する。

それにしても、30年近くも、この歌に親しんできて、
まったく別々のイメージを捉えていたなんて、とてもふしぎな気がした。
夫婦を何年続けたとしても、こんなことはまだまだありそうな気もした。



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sceneryの風景

最近、わたしの知人が、いつの間にか、
ひとりは北欧の4ヶ国に、もうひとりは南アフリカに出かけたことがわかった。

それに刺激されたという訳でもありませんが、
16日から5日間ほど北京に行ってきます。
天安門や紫禁城などもそうですが、
万里の長城は、ぜひとも一度はこの目で確かめて見たかった所なのです。
隣の国でありながら、今回で2度目の中国です。

それにしても、海外旅行の統計では、年間1800万人もの人が、
海外に飛び出しているのに、上記のふたりもそうですが、
同じ人が何度も何度も繰り返して出かけて行く傾向のようですね。

話は変わりますが、もう一点、前号では相棒に叱られたことがあります。
「料理以外の家事の時間は、洗濯、掃除、買い物、アイロニングを含めて、
2時間もかかわれば、すべてかたずいてしまう」
と、書いたことである。

こんなことを書けば「ずっと主婦で家事をしてきたひとに申し訳ないやないの」と
言われたのである。

わたしは、週に2日間しか家事をしていないので、
自分で仕事として決めたルーチン以外は、別の日に相棒がかたずけていてくれる。
だから、家事の仕事が簡単だというつもりではなかったのです。

それに、書かなかったのですが実はもうひとつ気がついたことがあります。
それは育児です。
家事をしているときに、隣の孫が乱入してくると、家事どころか、
家の中は混乱の極みに達します。

家事をしながらの子育て。
気が狂いそうになるほどの重労働です。
現役時代、家事にも、育児にもほとんど関心を払わなかったことを深く反省しています。
今頃反省しても遅いのですが・・・



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