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            日常の風景   NO.0183
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ロシア旅行の不安

確かにいつかは行ってみたいと思っていた。
だが、そのいつかが今年になろうとは、夢にも思っていなかった。
ロシアのことである。

役所に勤務している娘が、9月18日から21日までの4日間夏休みが取れたといってきた。
今年はこの4日間を休めば、実質上9月15日から24日までの10日間の連続休暇になる。
現役の会社員だったときには、わたしも繰り返しこの手を使った。

ヨーロッパが好きな娘のために、わたしは早速、南フランスへの旅を計画した。
南仏のコートダジュール。ニース、アビニョン、アルル、モナコなど、
計画はすぐに具体的になって、資料もかなり集めた。
航空券も、インターネットで調べると往復で8万円から9万円の格安チケットが目白押しに並んでいた。

だが、ことはそう順調には進まなかった。
格安の航空券は、どの航空会社もソルドアウト。売り切ればかりであった。
日本の会社員の考えることは、みんな大体同じなのである。
今年ヨーロッパ方面は、もう5月には予約で一杯だったという話である。

ただし、料金を倍額だせば、何とかなるという雰囲気だった。
しかし、これをOKするのはわたしの方に抵抗があった。
そこでやむを得ず、旅先をロシアに変更したのである。
ロシアのことを詳しく調べるまでに、今回は先に航空券の予約を入れたのである。

ところが、個人旅行者にとって、ロシアはやはりとんでもない国であった。
まず第一に、情報量が圧倒的に少ない。
旅行ガイドと呼べるべきもので、まともなものは2冊しか発行されていない。
そのうちの一冊「地球の歩き方」も、もう一年以上も改訂されていない。
それだけ、ロシアへの個人旅行者が少ないということであろう。

ロシアはビザが必要である(わたしはそれさえも知らなかった)
ビザを取得する条件もかなり強烈である。
ロシア滞在中のすべてのスケジュールを報告し、証明する必要があった。
モスクワではどのホテルに宿泊して、モスクワからサンクトペテルブルグへの移動手段は
これこれこうで、サンクトペテルブルグではこのホテルに泊まりますという証明が必要なのである。

お手上げだった。
すべてを旅行代理店にまかせることになった。
予約できるホテルは最低でも三ツ星クラスの高級ホテルのみである。
安ホテルを適当に見つけて、次の街にきままに移動するような旅はロシアでは不可能なのである。
航空チケットは安く手に入ったが、後がこんなにも高くつくとは完全な計算違いであった。

しかし、決めてしまったことは仕方がないので、ガイドブックを真剣に読み始めると、
ますます不安が募ってくる。
まず、第一に英語がまったく通じないと書いてある。
「ワン、ツー、スリー」でさえ通じないという話を、ロシアに行ったことのある人から聞いたこともある。
ロシアに個人旅行を計画する人は、片言でもロシア語を勉強してからと書いてある。

あわてて、やさしいロシア語の本を買ってきた。
アルファベットに半分古代のギリシャ文字が混ざったようなキリール文字はまるで呪文。
カタカナをたよりに、勉強し始めたが、
こんにちは→ズドラーストヴィチェ
ごきげんいかが→カーク ヴィ パジヴァーイェチェ
わたしは語学を勉強するのは嫌いではないが、
ロシア語の勉強は、とっかかりのまったくないサルスベリの木を上るような虚しさがある。

「地球の歩き方」に記載してあるまず最初の記事、ロシアの国際空港の説明を紹介してみよう。
設備、アクセス、対応、どれをとっても世界の主要国のなかで最低ランクの空港である。
入国審査で延々と待たされ、外に出たとたん白タクの運転手に包囲される。
市内への道路はしばしば渋滞し、現状では最悪といっていい。

それでも旅の直前になって、楽天的なわたしの気分はかなり盛り上がってきました。
モスクワのクレムリン、サンクトペテルブルグのエルミタージュ美術館、
ボリショーイ劇場での本場のバレー観劇、時間があればサーカスもと、
期待と夢も広がっているのは確かなのです・・・・



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sceneryの風景

愚痴を連ねたようなメルマガになって申し訳ありません。
16日に出発して24日に帰国する予定です。

多分、トラブル続出の旅になるでしょうね。
できれば、解決できるトラブルであることを願っています。

ロシア旅行でのエピソードについては、次号の「日常の風景」を楽しみにしていてください。
それでは行ってきます。
ダスヴィダーニャ(さようなら)



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