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            日常の風景   NO.0273
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地図を買う

気障で嫌味になることを承知の上で、あえて表現するならば、
地図を片手に目的地をめざすとすれば、
ニューヨークやパリを歩く方が大阪の街よりずっと容易い。
それほど大阪の街は複雑怪奇に思える。

週に一度ではあるが大阪に通いだしてもう5年近くになる。
大阪駅近辺の地下街は人通りが多いだけで何の特徴もないのっぺりとした印象である。
しかし5年も通うとさすがに詳しくなる。迷うこともない。

だが、地下街から階段を上り一度地上に出ると、
自分の居るところも方向もさっぱり見当がつかない。

おなじことが地下鉄にも言える。
大阪駅近辺には御堂筋線、四つ橋線、谷町線の3路線が走っている。
それぞれ始発駅は、梅田駅、東梅田駅、西梅田駅である。
関西人には常識かもしれないが、大阪駅が地下鉄になると梅田と
名前を変えるのも混乱させる一要因なのかも知れない。

とにかく、地上、地下街、地下鉄と複雑に重奏する3つのレイヤーが
それぞれに独立した都市空間のようにわたしには思えるのである。

いくらなんでも、これではいけないと、
5年目にして初めて大阪の観光地図買った。
手のひらに収まるぐらいの小さな地図である。

ちょっとした電車の移動などで時間があると地図を眺める。
方向を確かめる。駅名を確認する。通りの名前を意識する。
努力の甲斐があり最近やっと3つの空間が有機的につながってきた。

いくよ、くるよの漫才のネタに相方のシワを指さして、
「これが御堂筋、堺筋、なにわ筋」というのがあるが、
やっとその意味がわかってきた。

わたしがよく行く英会話喫茶は地下鉄の本町駅近くにある。
環状線の福島駅近辺にある関西の将棋会館にもときおり足を運ぶ。
このふたつの地点は、わたしの頭の中では
環状線と地下鉄が結ぶ線として存在していた。地上は関係なかったのである。

だが地図をよく見てみると、案外近くにある。
春になれば、このふたつの地点、
中の島を通り抜けていちどゆっくりと散策してみようと思う。

長く大阪に暮らす外国人に大阪の魅力を聞いてみたことがある。
彼は「カオス(混沌)」だと印象的な答えをしてくれた。
日本人でさえつかみにくい大阪の街。

外国人にとって街にすこしづつ慣れてきて街の全体像が
徐々に手触りの確かなものになってくるのは、
間違いなくある種の優越感が味わえるのだろう。

今までは大阪駅のプラットホームに立っても、
ビル群が林立する無機質の都会という印象しかなかったが、
地理を意識的に把握するということは想像力がふくらむ。

大阪湾の方向や大阪城の方向が頭の片隅に点滅して、
わたしの中で今まで思いもかけなかったような世界がビルの向こう側に展開する。

プラットホームで電車を待ちながら、潮のかおりのようなものを感じたり、
築城当時の秀吉の気分になったりすることがあるのである。



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sceneryの風景

わたしの物事の見方はかなり楽天的な方です。
できるだけ明るい面を見るように努力しているつもりです。

民主党も政権を取ったばかりだし、長いスパンで評価すべきだと思っていました。
管総理もそれなりに一生懸命にやっていると。

でも、民主党の最近のていたらくは目を覆うばかりです。
この分では3月の解散もやむを得ないのかもしれません。
政治が全くのこう着状態。どうしようもありません。

選挙をすれば、民主党は惨敗するでしょうね。
わたしのような根強い民主党のサポータでもほとほと厭になっているのですから、
結果は目に見えています。

しかし、しつこく解散を要求している自民党の支持率も、
民主党とあまり変わりません。
民主党に愛想はつかしたが、かといって自民党政治にも戻りたくないというのが
国民の本音ではないでしょうか?

国民に投票する政党がないのに、選挙とはつくづく不幸な状況です。

解散をして、自民党が政権に復帰しても、
政治家同士の怨念のようなものがどろどろと渦巻き、
いずれにしろうまく政治が機能しそうにありません。

楽天的なわたしでさえ、日本の政治の先行きは真っ暗です。

肝心の政策論議は棚上げにして、足の引っ張り合いをするばかりの国会。
政治家のレベルが最悪です。
大体において、議員数が多すぎます。

衆議院で200名。参議院で50名もいれば十分なのではないでしょうか。
政治家がそれぞれに優秀なスタッフを雇い、情報を集め、
自分で法案を立案できるぐらいの力量がなければ、ほんとうの政治家とはいえません。

柔道が強かった。漫才で人気があったというだけで、当選する日本の政治風土。
国民の政治への無関心も大いに責任があります。

民主党も最初は議員定数を減らすというのをマニフェストに掲げていたはずです。
やむを得ず選挙になるのなら、

自分達の痛みを伴う思い切った議員定数削減を掲げてもらいたいものです。



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