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            日常の風景   NO.0262
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猛暑の楽しみ

我が家にはクーラーがない。
厳密にいえば、独立したふたりの子供が昔使っていた部屋には、
クーラーがあるのだが、今は倉庫のようになっていて、
スイッチを入れれば、まともに動くのかもよくわからない。

とにかく、わたしも相棒もクーラーが嫌いということでは一致していて、
今まではそんなポリシーで、なんとか夏を乗り切っていた。

日中の耐えられないような暑さはほんの数時間で、
網戸の窓をいっぱいに開けてさえおけば、
琵琶湖からの浜風が、えもいわれぬ至福の一涼をときおり届けてくれる。

「クーラーに浸り切っていれば、この喜びはないよね」などと、
ある種の優越感さえ感じていたのである。

だが、連日老人が被る家のなかでの熱中症のニュース。
クーラーのスイッチが切られていたという事実が大きく取り上げられる。

地球の気候は確実に変化している。
日本もほとんど熱帯地方の気候に変わりつつある。
決して異常気象などではなく、これが普通の日本の夏の姿になりつつあるのだ。

朝起きれば、絞れば汗がしたたり落ちそうなほど、
パジャマはぐっしょりと濡れている。
気持ちが悪いので、顔を洗うついでに、シャワーを浴びることにした。

ついでに頭もシャンプーで洗うことにした。
いわゆる朝シャンである。
これが実にすがすがしくて気持ちがいいのである。
固形の石鹸をごしごしと体中になすりつけて、体も丸洗いする。
毎朝のクセになった。

朝シャンについては、子供達が中学か高校時代に、こっぴどく叱った経験がある。
子供達も夜中の試験勉強かなにかで汗をかき、気色が悪かったのかもしれない。
悪いことをしたと、こころから反省する。

朝にシャワーを浴びる習慣は、夜の風呂にも変化をもたらした。
一日の終わりに風呂を浴び、体や頭を洗うというのは、
どちらかといえばひとつの仕事という感じだった。

相棒のように、お風呂が食事と同じような楽しみという風にはどうしても感じられなかった。
できればパスしたいが、仕方なく湯に浸かるという感じだったのである。

ところが朝にシャワーを浴びる習慣ができると、
夜の風呂は、ほんとうに湯につかるだけでいい。
温泉にきたような気分でいられる。

湯に浸かりながら、防水のDVD再生機から流れる音楽、美しい風景などを
ただ楽しんでいればいいのである。リラックスできる。
これが猛暑がくれたわたしへのふたつのプレゼントである。

クーラーは置かないという我家のポリシーも、
相棒と相談した結果、今年で最後にすることにした。
ダメだとわかればポリシーを変える。
今まで言ってきたこととの一貫性はないが、それは当然のことである。
状況が変化したである。

ポリシーを変えるとなると、我家は極端なことになる。
クーラーは1台ではなく、多分3台。
来年の夏を迎え撃つ、今現在の作戦である。



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sceneryの風景

来週のお天気の長期予報を見て、
実はガックリとしている。

テレビの画面が真っ赤に染まったように感じられるほど、
連日のお日様マーク。
9月も近いのだし、もういい加減にしてくれという感じである。

お日様マークの日は、日中の2、3時間は我が家にはいられない。
避難場所は、彦根の囲碁、将棋クラブである。

会費は月に僅か千円。
それだけ支払うだけで、冷房の利いた涼しい部屋でゆっくりと将棋が指せる。
彦根市から育った大企業、平和堂が、地元民へ社会奉仕として
続けてくれているプログラムである。

将棋は一向に強く成らないが、和気あいあいと話せる仲間が、
いっぱい増えた。



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