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            日常の風景   NO.0279
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政治への夢想

国民の誰が考えて見ても、被災地の復興や、福島原発の処理が
何よりも優先されるべき時期なのに、
こんなときにこそ政治家としての才能を発揮すべきときなのに、
こんなときにこそ党派を超えて、政治家のネットワークをフルに利用すべきときなのに。

民主党、自民党をはじめとする日本の政治家は、権力闘争以外のことは何もしていません。
こんなにも、低いレベルの政治家をわたしたちは選ばされてきたのです。
飲み屋で語る庶民の政治感覚の方がよほどまともです。

選挙のときには選挙区を毎日くまなく訪れていたのでしょう?
いまこそあのときのように、毎日被災地を隅々まで訪問し、
情報を集め、市町村の政治家と連絡を取り合い、対策を考えるべきときでしょう。

絶望的な現在の日本の政治状況をまのあたりにしていると、
民主主義という政治システムの限界を考えざるを得ません。
金科玉条のように民主主義が正しいことのように考えられていますが、
わたしは昔から民主主義には懐疑的でした。

大多数の政治家のエネルギー。その9割は次の選挙対策にさかれています。
なにしろ、選挙に落ちればただの人ですから、
政治をするという本来の仕事より、政治家であるということの方が大切なのです。
政策を論じあう、まともな政治家が出現する土壌ではないのです。

もしわたしが政治改革の全権を与えられたとして、
民主主義に代わってどんなシステムがあるのだろうと、2、3日夢想してみました。

まず、今回のねじれ現象でもわかるように、参議院は廃止します。
衆議院はそのまま残して現在の選挙制度でいいでしょう。
民主主義には限界があるといっても、国民の意見を反映する次善のシステムには違いありませんから。

参議院に代わって、ローマ時代の元老院のようなシステムを新設します。
元老院の議員には選挙はありませんが、任期はあります。8年です。
どのようなすばらしい人間でも、権力は人間を腐敗させますから、
8年間集中して政治家としての仕事をした後、きっぱりと政治の世界から身を引いてもらいます。

元老院議員のいわば政治エリートには、十分な年金を補償して、
その後は趣味に生きるなり、本を書くなり、教授になるなりして好きなように生きてもらいましょう。
知事に転身するとかの政治に関係する仕事は一切禁止です。

そうすれば元老院には政治家を志す突出した才能ある人物が集まってきます。
衆議院と元老院。優先権も元老院の方です。

元老院の議員は、税金を使って、本物の政治エリートを時間をかけてつくるのです。
外交官試験並みの難関な試験をくぐり抜けた元老院議員候補は、
30歳ぐらいまでは日本文化や歴史をはじめとする基礎勉強をみっちりとしてもらいましょう。

もちろん海外への留学も必須で、ネイティブと議論ができるぐらいの英語能力も必要です。
とにかく国費で、遊びも勉強も十分にしてもらい、人間としてのキャパシティを大きくしてもらいます。

30歳から40歳までは政治インターンの時期です。
選挙で選ばれた衆議院議員の秘書になるのが必須で、
政策の立案や法律の書き方、交渉術、議会のまとめ方など現場で実際の政治を経験してもらいます。

そして40歳から50歳までが元老院議員として活躍する時期です。
十分な年金が保障されているのですから、一生分の仕事をこの8年間に集中してしてもらいます。
元老院には優先権があって、選挙の心配もなく、組閣もするのですから、
思い切って10年先、20年先、50年先の世界や日本の未来を見据えた政策が打ちだせるはずです。

もし今、わたしが夢想する元老院の政治家が存在していれば、
老醜をさらけ出し権力闘争に明け暮れ衆議院の政治家を尻眼に、
被災者の復興と原発事故の後処理に、世界中のネットワークを駆使して、
50前のはつらつとした若い政治家が、命がけで
昼夜を分かたず、政治家としての仕事をこなしていることでしょう。



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sceneryの風景

原子力安全保安院の冴えない顔。
権力闘争に疲れた表情で何を考えているかよくわからない管総理。
自信のなさそうなたよりない自民党の谷垣総裁。
意地悪そうな人相になった自民党の石原幹事長。
自分のためなのに国民のためと嫌味な口癖のみんなの党の渡辺党首。
具体的な提言はゼロで、上げ足ばかり取っている国会。

原発処理のおそまつさ、下品な政治家ばかりのオンパレードで、
最近はニュースを見る気がしません。
おかげでレコーダにたまっていた洋画がかなり消化できました。



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