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            日常の風景   NO.0266
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揺れるクロス

水曜日の昼食は外食と決めている。
週2回主夫をするようになって、主婦の気分がすこしだけわかるようになった。

たまに外食をするということは、食事の準備の手間がはぶけるだけではない。
こころの余裕が全然ちがう。
だから、外食の予定はできるだけ早く決めておいた方がいい。

たとえば夕食のメニューも決め、買い物も済ませ、
さてこれから支度にかかろうかというときになって、
急にレストランで豪華な食事をしようといわれても、ありがたみは確実に半減する。

レストランでの食事が朝から予定に入っていれば、
気分だけではなく、その日の行動もいつもの日常とは違う変化があるはずだ。
旅行などの予定も、全く同じことだと思う。

毎日目にする台所のカレンダーに、赤いサインペンで矢印が入り、
具体的な温泉の名前などが書いてあると、
カレンダーを見ているだけで、旅の気分がもう楽しめる。

「楽しいことはあらかじめ、不安なことは起きてから考えよう」という諺があるが、
えっ、そんな諺、聞いたことがないって?
そうでした。わたしがたった今、思いついた諺なのです。

話をランチに戻します。
ランチタイムは600円か700円で値打ちのある店が多い。
夜にはとてもゆけないような店が手軽な価格でランチを提供している。

長く習慣として続けていると、お気に入りの店がどうしても固定されてくる。
たまには意識的に店を変えようと、くるまで市内を走らせているときに、
偶然に目についた店などをチェックしておく。

今日は行った和食レストランもそうだった。
ランチサービスの看板だけを見て、試しにと入った店だった。

ところが出されたメニューを見て驚いた、最低で1500円のランチしかない。
高級店だった。ランチのリミットは大体1000円と決めてあるが仕方がない。

食事を終えランチに付いているホットコーヒーを飲んで、一息ついていると、
壁の白いクロスが揺れている。
注目して見つめると、クロスに写った竹影が揺れているのだ。

この店は、窓の外にしのべ竹の植え込みがあり、
そして、大きな透明の窓ガラスがあって店内になる。
店内には二つの部屋があり、大きな木の格子で仕切られている。

アルミサッシ、そして木の格子を通して、外のしのべ竹の影が、
孟宗竹のような太さになって、クロスのスクリーンに映っている。
風に揺れるモノクロの動きが可憐である。

設計者はこのような効果を計算したのだろうか。偶然だろうか。
一日中こんな効果が見られるわけではない。
天気や、天気に恵まれても、太陽の位置関係から考えると
このような現象が見られるのはごくわずかな時間だろう。

あまりにも現象が鮮やかなので、ひょっとすれば、計算ずくめのような気もする。
いずれにしろ、相棒と向かい合ってコーヒーを飲みながら、
優雅な時間が流れてゆく。

モダンアートののような揺れるクロスが見られただけでも
十分に1500円の値打ちはあった。



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sceneryの風景

国会が始まったが、党利党略でしか物事が考えられない、
日本の政治家の性質(たち)の悪さには、あきれるを通り越して、絶望的でさえある。
24日に行われる北海道の補欠選挙が終わるまでは、互いに足をひっぱりあうだけの泥仕合国会である。

政治て、権力て、民主主義て一体何なのでしょうね。
特に自民党の石原伸晃の質問「尖閣諸島への上陸を認めよ」という質問には腹が立ちました。
それから「中国人船長を釈放した決定が、検察の判断だと信じる国民は一人もいない」とも
いっていましたが、それはその通りでしょう。でもそれが最悪の事態を避ける高度の政治判断だったのではないでしょうか?

今の政治家はほんとうに勉強してしますか?
ネットを利用すれば、マスコミ報道以外の情報にもアクセスするのは日本では容易なことです。
こんな時こそインターネットで世界中の情報をしっかりと集めてから、判断するべきです。

わたしが愛読している、中国在住の「ふるまいよしこ」さんのメルマガをわたし流に抜粋して転載しますので、
みなさんも考えてください。

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中国では中国政府によってつぶやきマイクロブログ「ツイッター」へのアクセスがブロックされている。
努力をして初めてツイッターを利用できているわけから、基本的に政府に批判的である。
そのツイッターの中である人物が突然「釣魚島は中国の領土だ!」と叫んだ。
すると、その人物にあててどっと返ってきたのがこんなメッセージだった。
 
「釣魚島が中国のものかどうかと宣言する前に、お前の家が建ってる土地が自分のものだと宣言してみろよ!」
「国内が矛盾だらけなのに、国外の矛盾を膨らまして大騒ぎしてごまかそうとするんじゃない」
「中国人の自由と人権さえ守ってくれるんであれば、オレはそれがどこの帝国主義に属する土地だろうがかまわねぇよ」
「安全で、子供が健康に成長できる食べ物が安心して手に入るんだったら、日本領になった釣魚島に引っ越したいくらいだ」…

日本のマスコミは9月18日に日本大使館前のデモに集まった100人余りの人をカメラに収めることに腐心した。
だいたい、この日はもともと満州事変のきっかけとなった柳条湖事件が起こった日である。
中国では毎年「918」には日本大使館に向けてデモが起こる。
その日にひっかけた釣魚島デモですらわずか100人しか集まらないという現状を、きちんと伝えた日本のメディアはあったのだろうか?
 
実際には外電も伝えているように、そこに集まった内外ジャーナリストの数の方が多く、市民のほとんどはデモになんの関心も向けず、
普通の週末を過ごしていたというのに、「デモが行われた」ということだけが大きくクローズアップされ、
画面外の様子はすべて消し去られて日本の読者や視聴者に伝へられた。

軍部がここ数十年、出番を期待していた台湾が今、経済というてこによって、中国と蜜月期に入っていることだ。
胡錦濤現主席も温家宝首相もその就任当初、「人民解放軍での勤務経験がなく、軍に対する制約力を持っていない」ことが政権の不安要素だと、
中国ウォッチャーたちは分析した。

つまり、胡氏も温氏も解放軍のバックグランドを持っておらず、逆に軍のメンツよりも、
今の時代に軍事力で台湾を制圧することがどれほど中国のイメージにダメージを与えるか十分に知っている。
だからこそ経済をてこにした融和策で懐柔する方法に尽力している。

しかし、そこで出番を削がれた軍部は面白くない。政府がそんな軍に花を持たせる形でお膳立てしたアメリカとの軍事交流も、
結局、南シナ海での小競り合いで中断し、またも出番がなくなった。そんな軍にとって設立当時の「敵」である日本は格好の標的だ。
今回、偶然から始まった船長の逮捕で、尖閣領域の領海問題が俎上に上がったところで、
彼らは元気を盛り返した。そこで中央政府も予想していなかった強硬手段に出たのである。

つまり「腕を振り上げた」のは軍だった。「いや、軍だって中央政府の息がかかっている」と見る人もいるかもしれない。
しかし、ここ数年、何度となく、軍が中央政府の意向を無視した動きをしていることが取りざたされてきたし、
今回も政府が旗を振って軍事威嚇に出ようとするのであれば、
もっと明らかな行動がとれたはずである。しかし、口にもしなかった。

一方で、温家宝首相は8月20日に行われた、
香港に隣接する深セン市の特別経済区設立20周年記念式典のスピーチで行政改革を行っていくことを宣言し、
大きく注目された。その同じ主張を、船長を釈放した直後に出かけた国連大会で、そして現在開催されているASEMでも繰り返した。
中国国内では「やるやるやるやる、と言うのはたやすいが、いつやるんだよ?」という皮肉も出ているくらい、同じ言葉を繰り返しているのである。

そこから読み取れるのは、温首相がそこまでしつこく繰り返して説得しなければならない「相手」が存在するということだ。
その相手とは誰なのか? 外国政府なのか、それとも国内の反対勢力なのか。そう考えると見えてくる。

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