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            日常の風景   NO.0304
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下島温泉

二泊三日の夏休みの家族旅行に息子が選んだ温泉のひとつが、
下島(したじま)温泉だった。
宿泊施設の好みでいえば、わたしが大型の旅館・ホテル派。
息子は民宿派で、互いに相談すれば意見が合わない。

だから今回の旅行スケジュールは息子に全部任せることにした。
ただし費用は一切こちらもちである。
(このメリットがあればこそ息子夫婦も毎年誘ってくれる)

下島温泉の住所は下呂市になっていたので、
下呂温泉の近くだとばかり思っていたのだが、
車はどんどん下呂温泉からは離れてゆく。むしろ高山に近い。

渓流沿いの細い道を山奥へと分け入ってゆく。
わたしがイメージする温泉の歓楽街の雰囲気からは益々遠ざかり、
いかにも息子が選びそうな、ひなびた温泉が予想された。

やっと到着した宿は、民宿ではなかったが、
民宿からスタートして徐々に規模を大きくしていったようだ。
あたらしくも広くもないが庶民的な気楽さがあり、
気兼ねなくくつろげるという印象だった。

部屋からの眺望はすばらしかった。
部屋の窓を開けると、真夏にも関わらず山の冷気がひんやりと入り込んで来る。
すぐ目の前は切り立った屏風岩。
長い年月をかけて、その岩に木が張り付き豊かな緑に染め上げている。

屏風岩の谷底を流れの早い渓流が岩にぶつかり、
そのときにできる無数の泡で流れが白くなったり透明になったり。
その絶妙の按配が、水音とともにいかにもいやされるという感じなのである。

露天風呂がまた大ホテルでは決して味わえないものだった。
浴衣をはおり、旅館の玄関を出て、
下駄をからころ鳴らせながら渓流沿いを百メートルほど上流にさかのぼると、
ぽつんと温泉の小屋が建っていた。

いかにも大自然の中にある昔の湯治場という雰囲気が色濃く漂っている。
露天風呂には他の客はいなかった。
わたしと、息子と、小学生の孫ふたりの4人だけである。

家族で渓流や山の緑を愛でながら温泉に浸かり、
のんびりと穏やかな話ができるのは温泉の醍醐味である。

そんなとき突然ドアが開けらた。てっきり次の客が来たと思ったら、
わたしの相棒と息子の嫁がひょっこりと顔をのぞかせている。
露天風呂はひとつだけだったので、女性群の入浴は時間制限されていた。

でも、他に客はいないし、混浴にしようという話になり、
女性群も下着をつけたまま入浴することに決まった。
こうして6人が渓流の水音を聴きながら、ゆっくりと湯に浸かる。

6人の中で、裸を意識しているのはわたしと息子の嫁だけである。
ごく自然にふたりが一番遠い距離に位置することになる。
プラスやマエナスの電荷がくっついたり離れたりするように、
裸の力学のようなものも確かに存在するのだとふと思った。



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sceneryの風景

長年使用しているわたしのパソコンが、
立ち上がりも遅くなり、動きも重く、
アプリケーションも快適には使えなくなっていた。

それでも、だましだまし、イライラしながら使用していたのだが、
ついにリカバリーを決心した。
重要なハードディスクを全部消して、ウインドウズを初期状態に戻すのですから、
大変な作業になるのはわかっていたが、
やはり次々と困難が待ち構えていました。

リカバリーの作業そのものは簡単です。
しかしそのあとの作業。
メールの設定。パスワードも受信サーバのアドレスなども覚えていない。
古い書類を探すだけでもたいへんです。

アプリケーションのインストールもすべてパスワードを聞いてきます。

3台あるプリンターもすべてドライバーのインストールが必要です。
ネットワークで共用プリンターの設定にしておいたのに、
これはいまだにうまくいっていません。

管理者に相談してくださいとシステムが言ってきます。
「管理者はわたしだ」とシステムを怒鳴りたくなります。

でもおかげでパソコンの動きは快適になりました。
ディスクトップのアイコンも半分以下になりすっきりしました。
ずいぶんと余分なものをかかえていました。

もう、無料だからとかためしにとかで
訳のわからないものはインストールしません。



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発行者 scenery
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