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　　　　　　　　　　　　日常の風景　　　NO.0324
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読書としおり

だらしなく窓側の壁にもたれ、足を伸ばして本を読む。
最近のわたしのお気に入り読書空間、サウナの食事処の一角である。
目の前の食卓にはアツアツのイカの唐揚げと、
よく冷えたキリンビールが置いてある。

風呂上がりにビールを飲みながら本を読むのが最近の楽しみになった。
わたしは小説も好きなのだが、読む場所にも多少のこだわりがある。
もちろん時間を計れば就寝前に自分の部屋のベッドに
寝っ転がって読む時間が圧倒的に多いのだが。

大阪グランフロントの庭園とか、一流ホテルのロビー、
梅田の地下街の喫茶店、地元の姉川温泉の休憩室など、
次々と読み心地のよい場所を捜すのも読書の楽しみのひとつなのである。

最近のお気に入りは大阪のサウナ風呂。
サウナそのものがきわめて安上がりな快適空間である。
時間の制限はない。天然温泉はもちろん、薬湯、ジェットバス、
高温サウナ、低温サウナ、ミストサウナなどバラエティに富んだ入浴設備。

山のように積み上げてあるパリッと乾燥したタオル、ガウン、パンツ。
使い放題のこれらの衣料品はただのシンプルな布切れに過ぎないのだが、
とてつもなく贅沢な気分を味わわさせてくれる。

湯あがりの濡れて火照った身体に、惜しげもなくタオルを３枚ぐらい使い、
身体を拭いて、新しいパンツとガウンに身を包み、
真っ直ぐに食事処に直行して、ギンギンに冷えた生ビールを
ぐいと飲む時の幸福感は何物にも代えがたい。

その時わたしが読んでいた本は山田悠介の「９３番目のキミ」
製造番号０９３の近未来のロボットとロボット持ち主である学生の物語である。
小説のなかでは擬人化されたロボットのコメントや行動にほろっとさせられてしまう。

学習機能がありプログラミング化されたロボットの方が
人とのコミュニケーションの取り方が圧倒的にうまいのだ。
ロボットには人に話しかけることにためらいがない。
話しかけられた人にも警戒感を持たない。素直な本音の会話が展開する。

黄昏時が近づいてきた。もう少しすれば店は混み始める。
ぼちぼち席を空けなければと気づかい始めたころ丁度本を読み終わった。
小説の余韻と満足感を味わいながら立ち上がってロッカーに向かう。

ロッカーに近づいたころ、誰かが息を切らせながら近づいてきた。
先ほどの店の若い女店員である。
彼女の手に握られていたものは、わたしが忘れた本のしおり。

このしおりはわたしにとって特別なものだった。
わたしが本好きなことを知っている、宅老所のユーザーから
日頃の感謝の気持ちを込めて贈られた手作りのしおりだったのである。

日頃から押し花として蓄えているスミレ、矢車草、桜などの花びらを
上質の和紙に調和よく並べ、ラミネートをしてから、
上部に穴をあけ、金属質のりぼんをかわいく結んだものだった。

しおりを受け取り、女の子に丁寧にお礼を言いながら、
ロボットとのコミュニケーションも悪くないが、
このようなヒューマンな思いやりの方がもっと素敵だと思った。



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ｓｃｅｎｅｒｙの風景

どの国も政治家が小粒になった。
カリスマ性も魅力もまったく消滅している。
日本もそうだが、今回のアメリカの政治不全、信じられない。

予算が成立しないために１０/１からの政府機関は閉鎖。
それに引き続いて赤字国債の法律が通らないと１０/１７日には、
アメリカの国債はデフォルト（債務不履行）に陥る。

世界経済にリーマンショック以上のダメージを与えるのは
確実である。
どの国もじゃぶじゃぶと予算を積み上げて、
やっと世界経済に回復の兆しが見えてきたというのに。

アメリカの大統領と議会との対立。
特に共和党の対応はまるでガキの喧嘩である。
映画で見たことがあるチキンレースそのものである。

こんなアメリカの醜態を目にした全世界の人は、
アメリカに権威などはもう何も感じなくなる。

アメリカの自由主義ももう信じない。
たとえこのこの喧嘩、ギリギリで収まったとしても、
（収まるように心から祈る。ディフォルトなんて悲劇見たくない）
どちらも得をしたことにならない。
不信だけが増幅され、傷口が広がり、血が出ただけ。

今回の騒ぎから日本の政治家もしっかりと大切なことを学んで欲しい。



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