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            日常の風景   NO.0330
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一体何のために

元プログラマーだったわたしはパソコンを扱うのは割合に得意である。
でも胸を張って言えるほどのことではなく、
現役時代はMS-DOSと呼ばれたOSでWindowsが出現する以前の技術。

もうひと昔もふた昔も前の話で、今では何の役にも立たない。
でも、おかげでパソコンを恐れないというか体になじんでいるというか、
とにかく触っているうちに何とかなるだろうという妙な自信はあった。

ところがスマートホンが普及するようになって、
あのタッチパネルが全盛の時代、わたしにはほとんど触る機会がなかった。
興味はあるが量販店に置いてあるニューモデル等も
どのように動かしていいのかわからない。質問することもわからないのである。

ついに時代遅れの人になってしまったと内心忸怩たるものがあったが、
費用のことを考えるとタッチパネルのニューモデルを購入する勇気もなかった。

ところが家内が今まで使っていたノートパソコンがインターネットにつないでも、
非常に遅くて重い上に接続にまでトラブル続きという悩みを聞いて、
息子が思い切ってサーフェス2というタッチパネル式のタブレット端末を
購入してきてくれたのである。
お金はわたしが支払うので息子にはためらいがない。

わたしにはひとつ重大な誤解があった。
タブレット端末を購入すればドコモとかAUなどの会社と契約をしないと
インターネットにはつながらないと思い込んでいたのである。
タブレットはいいが月々のランニングコストが如何にももったいないと。

ところがサーフェス2を段ボールから取り出し、
息子がちょこちょこと基本的な設定をすると、あら不思議。
一時間もしないうちに現在わたしが使用している無線ルータから
電波を自動的に拾い、サクサクと快適に動き出したではありませんか。

こんなことならもっと早く購入しておけばよかったんだと、
後悔することしきり。ちなみに端末の価格は4万5千円ほど。

家内がオーナーのタブレットだが、使い方についての質問には、わたしがそれなりに
答えなくてはならないのは目に見えているので、3日間ぐらいはかかりきりになって
必死で勉強した。
おかげでOSにWindows8が使用されているタッチパネルのタブレット。
基本的な技術だけは昔取った杵柄でなんとかマスターできたと思う。

家内もあたらしい玩具を与えられた子供のように、
毎日タブレットと遊んでいる。
そんな家内から最近「あんたの写真がインターネットに載ってるで」
と言われた。

「えっどこに?」
「検索ボックスにためしに自分の家の住所を打ち込んでみたらあんたの顔が出てきた」
「そんな馬鹿な」と半信半疑でタブレットを操作してみると、
確かに我が家の前で間の抜けた顔をさらしている自分がいた。

一体だれが何のためにこんな情報を公開しているのだろう。



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sceneryの風景

検索ボックスに自分の住所を直に打込むなんて発想はわたしには
絶対に湧いてきません。
Googleの検索ボックスに正式な住所を番地まで入力して、
検索にかけるとその番地の家屋そのものが写真で表示されます。

実際にこの目で見ても信じられなかったので、
年賀状を引っ張り出して、ためしに10人ぐらいの住所を打ち込んでみれば、
7割から8割の確率で、知人の住んでいる家屋が確認できました。

我家の写真撮影があったその日に、わたしが偶然玄関に出ていたということです。
さすがに本人まで写っているのはこのわたしぐらいですが、
この情報の恐ろしいところは、玄関前に止まっている車や、
場所がクリックひとつで自由に移動できるような作りになっているので、
近所の様子までが手に取るようにわかるということです。
新興住宅地であるとか場末のアパートであるとかまでわかるのです。

一度試してみてください。
これからやり方を説明します。
検索ボックスはYahooとかではなく必ずGoogleのを使ってください。
住所を番地まで入力して検索にかけると、
検索結果のトップに地図と打ちこんだ住所が出てきます。

その住所をクリック。
左端の画面に家の写真が表示されれば、その家はもう撮影済みです。
車を走らせながら撮影しているそうですから、
田舎とか道路が狭い場所とかはまだ撮影されていない家もあります。

家の写真が表示されれば、その写真をクリック。
「保護されていない項目を表示しますか?」
とシステムが聞いてきますので「はい」をクリック

それで対象の家の詳細が分かります。
マウスで家をつかんで家を回転させることもできますし、
道路にポインターを移動させてクリックすれば、
その場所に移動することも可能です。
いわば近所の散歩ができるのです。

住所の情報だけで重大なプライバシーがいつの間にか侵されている。
大金を掛けて日本国中の詳細で視覚的な地図を誰かが作っている。
もちろんGoogleなのですが一体何のためにという疑問が強く残ります。
この疑問に答えられる人がおられましたら、メールで教えていただけませんか?



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