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            日常の風景   NO.0340
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パソコンが雷に

「上空に寒気が押し寄せ、不安定な気圧配置になっております」という
天気予報がごく当たり前のように続いていた。
毎日ほど雷が鳴る。
雷が鳴るのが普通で、その雷から何か被害を受けるということはほとんど考えていなかった。

ところがお盆明けの8月16日。その夜の雷はただ事ではなかつた。
まるで原爆のような光でぴかっと稲妻があたりを照らすと同時に
天地が割れるようなすざましい雷鳴。
家中の電気が一瞬で全部消え、あたりは真っ暗闇になった。
間を置かずもう一度同じ規模の落雷が直近で起こった。

停電は5分ほどで回復したのだが、我が家のメイン電源盤のブレーカーが入らない。
夜のことなので、朝を待つより仕方がない。
電気がないということはつらいことである。

冷蔵庫の冷凍食品が溶け出して、ダメになりかけている。
製氷室の氷も水になりかけている。
何よりも参ったのはトイレまで使用不能になったことだ。
机上で頭だけで考えている不便と、生活の場で実際に直面する不便とでは雲泥の差がある。

大騒ぎの末、ブレーカーが入らない理由がわかった。
わたしのパソコンが内部でショートしていたのだ。
おそらく電源基板が雷にやられたのである。

とりあえず、メーカーに修理を依頼する。
どの程度の故障なのか、修理できる故障なのか、幾らぐらい必要なのか、
何日ぐらいかかるのか、何もわからないまま、
半ば呆けたような状態で日にちだけが経過していった。

そのうちそんな状況に慣れてきた。
パソコンがなければ生きていけないぐらいに思っていたのに、
なければないでどってこともない。

メールや掲示板でやりとりができなくなってもそれほどの不自由は感じない。
本当に重要なことなら、直接電話かかかってくるだろうし、
そんな電話はその期間ただの一本もかかってこなかった。
どうでもいい情報のやりとりを暇つぶしにしていたという事実が図らずも露呈した。

パソコンがないと生活のパターンががらりと変わった。
図書館で本を山ほど借りてきて、読書三昧の日々に慣れた頃、
ようやくメーカーから連絡があった。

故障しているのは電源基板だけではなく、DVDドライブも調子が悪いらしい。
全部で5万円近くかかるというのを聞いて、
愛用していたソニーのVAIO windows VISA のパソコンを諦めようと思った。
5万円も古い機種に出すのなら、最新のwindows8.1を手に入れたいと思ったのである。

新しいパソコンを買う決心をしてから、また新たないらだちが募ってきた。
安くない買い物であるからパソコンの機種の選定はもちろん、
どうでもよい情報だと一時は思ったが、その情報を遮断されたいらだちである。

それに最大の心配は、バックアップ用に使用していた2台のハードディスクの状態である。
現にテレビのレコーダー用に使用していた外付けのハードディスクは雷で壊れた。
パソコンのハードディスクの情報はテレビの録画番組とは価値のレベルが違う。
このことを考えると、どきどきして夜もよく眠れなかった。



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sceneryの風景

やっと日常の風景が再開できるほどに状況は落ち着いてきました。
バックアップに取っておいたハードディスクもなんとか無事でした。
だからこうして再開ができたのです。ある面ではラッキーでした。
ハードディスクの情報がないと、わたしのホームページのパスワードや接続先もわからないのです。

タッチパネル式のwindows8.1。
いままでのwindowsとはかなりコンセプトが違います。
その違いは昔の話しでちょっと専門的になりますが、
windows3.1 から windows95 に変わったような、そのぐらいの変化です。

どうにか新しいパソコン(東芝 D81/T9MW)にも慣れてきました。
ですがアプリケーションソフトは全部入れ替えましたし、
ずいぶんと高くついた雷になりました。

みなさんも雷がなるたびにコンセントを抜くなんて作業は実際にはできませんし、
スイッチを切っておいても電線から雷は侵入してきます。
冷蔵庫や炊飯器、洗濯機なども電子基板をふんだんに使っていまして、
雷には弱いものです。

せめて電源コンセントは雷サージがしてあるものを使ってください。
家中のコンセントを取り替えても、電子機器が壊れるリスクを考えれば
安上がりの予防にはなります。それでも完全ではないのですが。



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