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　　　　　　　　　　　　日常の風景　　　NO.0331
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立飲み屋にて

彦根だけでなく大阪にもなじみの店ができた。
たとえば昼食によく利用するカウンターだけの小さな握り寿司の店。

わたしが黙って座っただけで「赤だし用意して」と大将がいう。
ほどなく無言のままなのにいつもの握りが前に並ぶ。それも一人前半という分量。
とんとんとんという小気味の良いリズムで物事が進行してゆくのは互いに気分がいい。

夜のなじみの店もあるが、たまに立ち飲み屋にも行く。
ひとりで飲むのも嫌いではない。でも条件がある。
はやっている店で他にお客がいっぱい居る店に限ってである。
だれもいない店の隅っこでひとり背を丸めて飲んだ経験はあまりない。

最近わたしが気に入っている立ち飲みの店は
大きなコの字型のカウンターがあり、
小さなテーブルも壁の回りに配置してある。

お酒の種類は生ビール、日本酒、焼酎、ハイボール、ホッピーなど何でもある。
つまみもさしみはもちろんおでん、焼き物、揚げ物、炒め物など豊富。
値段も一皿１００円〜３００円ぐらいが標準である。

「おあいそ」
「へい、まいどありー」という活気あるやり取りの後、
支払われる金額は１０００円でお釣りをもらっている人が多い。

どちらかと言えばわたしのようにひとりでぶらりとやってくる人が多いのである。
カウンターに立っている人の３分の２ぐらいはひとり客。
コの字型のカウンターだから表情がよく見える。

まるでドラマを見ているような気分になることがある。
全員がこちらを向いて懸命に何かを演じているいるというような。

ビールのコップを口につけながら虚空をにらむ人。
次のつまみに迷って壁のメニューに目を泳がせる人。
店員の動きを何となく目で追っている人。
にぎやか場所であっても個性ある孤独をひとりひとりが表現している。

わたしは癖でそれらを観察するのに忙しい。
だれに頼まれた訳でもないのにすっかりレポーターの気分。
飲みながらスマートホンばかりをいじっている若者。
黒い背広にひげを蓄えた紳士が肩肘張って飲んでいるのも面白い。

「麦水ちょうだい」という中年女性の声が聞こえたので、
わたしはてっきりビールが出てくるものだと思っていたら、
店員が運んできたのは麦焼酎。
これは間違いなく中年の女性客は店のなじみ。

まわりの会話も意外と新鮮。
「小さい頃はおいしいと思ったんやけど、これって意外とフツー」
２０代の会社員同士の一品料理の感想。

わたしたちの若い頃はこんな表現は決してしなかった。
でも感じはよくわかる。
こんな風にして観察と孤独と喧噪の夜はふけてゆくのでありました。



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ｓｃｅｎｅｒｙの風景

ウクライナのクリミア情勢。
プーチン大統領のすばやい動きに、あっという間に勝負がついてしまって、
鮮やか、お見事という感じです。

世界の政治家にとっては大変な出来事なのでしょうが、
今までにアメリカがイランやアフガニスタンで行ってきた
軍事行動に比べれば、洗練された政治的行為に感じられます。

わたしはロシアよりもアメリカに共感するタイプの人間なのですが。
何となくあまり非難する気にもなれないのは
わたしはだけでしょうか？。

より厳しい制裁をとイギリスあたりは主張しているようですが、
これだけ政治的にも経済的にも深く相互依存で結びついている世界。
ロシアだけにダメージを与えられる制裁なんて考えられません。

今回はプーチン大統領の見事な一本勝ち。
日本にもこのようなカリスマ性のある冴えた政治家が欲しいですね。



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