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            日常の風景   NO.0378
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夏祭りの景色

たそがれ時、風に乗って江州音頭が聞こえてきた。
そういえば今日は近所にあるグループホームの夏祭りの日だった。
夕食をあわてて済ませ、早速祭り見物に出かけた。

グループホーム前の駐車場に小さなやぐらが組まれ、
赤白の派手な煙幕で囲われた舞台の上では、
衣装用の着物を小粋に着こなした謡い手が
マイクロホンの前で伸びのある美声を張り上げている。

当然のことながらかなり年配の男性の謡い手である。
最近の若者はまず江州音頭などには興味を示さないが、
わたしたちの年代の者にとってはとても懐かしい盆踊り唄である。

江州音頭は河内音頭ほどは有名ではないが、
それでも関西ではかなり知られている。
「ソリャー、ヨイトヨイヤマッカ、ドッコイサーノセ」
という掛け声を一度ぐらいは耳にされた方も多いのでは。

調子もいい、リズムもいい、浪曲のように長々とした物語が語られるので、
真剣に耳を傾けていると謡われている物語にも興味が持てる。

なつかしさもあって唄と踊りとに目を奪われていると、
誰かがわたしの名前を呼んでいる。
顔見知りの近所の老人会の会長である。

受付用の長い簡単な組み立て机の前に立って手招きをしている。
「こんばんわ、ご苦労様」と挨拶をしながら近寄ってゆくと
「これに記帳願います」と言われた。

記帳を終ると色取り取りの紙で手作りされた券の束を渡された。
「タコ焼き引換券」「やきそば引換券」「かき氷引換券」
「スーパーボールすくい券」「玉入れゲーム」「ビンゴゲーム」などなど。

小粒ではあるがまわりには様々な疑似夜店がオープンしていて、
働いている人はほとんどが近所の顔見知りである。

主催はグループホームであるが、
自治会の役員が実際的な運営のほとんどをこなしている。
子供会も老人会も協力的である。

わたしは適当な椅子に座って、振る舞われた焼きそばと
よく冷えた缶ビールを楽しみながら夏祭りの雰囲気にひたっている。

グループホームの高齢者はほぼ全員が盆踊りの輪を遠巻にするように
椅子に座り、盆踊りを夢うつつのような表情で見ていた。
ほとんどが老女で、シワはあってもあどけない少女のような表情に見えた。

老女の何人かは江州音頭と踊りに合わせて、
椅子に座りながらも手や足を無意識に動ごかしている。
きっと若い頃はしゃれた浴衣などを着て、扇子や団扇を優雅に使いながら、
盆踊りの粋なロマンスなどを思い出しているかもしれない。

人間関係が希薄で個々がバラバラの世相にあっても、わたしたちの自治会は
地方の田舎町なので昔から続いてきた行事には
みんな協力的で、まだかろうじてその機能を果たしている。

赤ん坊からお年寄りまでみんなが同じ空間に集う貴重な時間。
昔ならあたりまえであった風景がもう滅多に見ることはできなくなった。
かけがえのない町の文化として長く守って行きたいものである。



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sceneryの風景

脳内体操を続けているつもりでわたしはほぼ毎朝、
スカイプを使って、フィリピンのマニラに在住している
インストラクターと話すのを日課にしている。

フィリピンといえば、沖縄よりまだ大分南で、
熱帯地方に分類される。

そのインストラクターに
「昨日日本のある場所で39.7℃にもなった」
と言えば非常に驚いていた。

フィリピンの方が気候的にはまだ過ごしやすいみたい。
日本の酷暑は熱帯に住む人からも同情されるようになったのである。
早く涼しくなって欲しいーーーーーー!!



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