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            日常の風景   NO.0373
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わたしの宇宙観

銀河星雲とアンドロメダ星雲とは14億年後に衝突するという。
さぞかしそれぞれの星同士が衝突して大惨事になると思いきや、
実際は巨大な銀河同士がひとつになっても何事も起こらないらしい。

この話を聞いたとき、そんな馬鹿なことがと思い、
ネットで少し調べてみた。

わたしたちの太陽を直径1メートルの球にたとえると、
隣の太陽である恒星までの距離はなんと4万kmも離れたところにある。
ほぼ地球を一周する距離ほど離れている。
これが宇宙の平均的な散らばり方だという。

そんなスカスカの空間同士がひとつにくっ付いても、
なんの変化も起こらないというのは納得できる。
だから宇宙は面白い。

もっとも14億年後には太陽の寿命が膨張期で膨れ上がり
全ての水が蒸発してしまうほど地球は高温になり、
生命は完全に絶滅しているから、その現象を確認できる人はいない。

さらに調べてみるとわたしたちの太陽系も実はスカスカなのである。
上記のモデル、直径1メートルの太陽をモデルにして説明すると、
水星は太陽から40メートル離れた正露丸。

地球は約100メートル離れたビー玉。
一番大きな木星はソフトボールぐらいだが560メートルも離れている。
一番遠くの海王星になると、すももぐらいで3.2kmも離れてしまう。

それにしても太陽の引力ってすごい。
たった1メートルの球が3.2km先の
小さなすももまで従えているのだから。

その太陽は水素がヘリウムに変わる核融合で莫大なエネルギーが放出されている。
やがて水素が燃え尽きると、次にはヘリウムが炭素、酸素と変化してゆき、
鉄まで変化が進むとそこで核融合は止まる。
鉄は非常に安定した元素だからである。

太陽は鉄までしか核融合することができない。
元素の周期表にある鉄以降の多くの物質は、
超新星爆発でしか作ることができない。

わたしたち一人ひとりを形作っている体の材料は
間違いなく星のかけらなのである。
一つひとつの元素は核融合や超新星爆発などの、
ダイナミック宇宙の歴史を体験してきたのだ。

華麗な宇宙。
壮大な宇宙。
ミステリアスな宇宙。
宇宙はわたしの神様。トランキライザー。



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sceneryの風景

一方、極微の原子核や電子の世界もひとつの宇宙である。
一個の水素原子は一個の原子核と一個の電子から構成されている。

その水素原子をたとえば甲子園球場ぐらいの大きさにたとえると、
原子核はグランドの中心に置かれた一円玉。
そして砂粒より小さな電子が球場の外縁をぐるぐると回っているイメージ。

こうしてみると極微の世界も実はスカスカなのである。
原子核は陽子と中性子から成り立っていると学校で習った。
現代科学はこの世界のことも近年めざましく理解が進んでいる。

陽子と中性子(核)は3つのクォークから構成されている。
クオークは4つの素粒子からできている。
素粒子には重さも体積もない。
その他にレプトンと呼ばれる電子や光子などの素粒子が10種類ほど。
つい最近、最後の素粒子、重さを与えるヒッグス粒子が発見された。

わたしには全く理解不能の世界なのだが、
とにかくこのような世界のことをお話として聞くのは大好きなのである。



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