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            日常の風景   NO.0389
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祭りの色

年寄りに訊ねて初めて知ったのだが、
とは言ってもわたしも年寄り仲間なのだがもっと先輩の年寄り。
平らな分厚い大鍋の底を叩くような感じの祭りの鐘。
その鐘を叩く木槌のような道具は鐘木(しゅもく)というらしい。

その鐘木を使って鐘を打つとカーンという高い音が鳴る。
心が洗われるような濁りのない澄んだいい音である。
お祭り用に専用の木枠があってそれに鐘は吊るされている。

木枠に太い担ぎ棒の丸太がロープで縛られていて、
昔は大人ふたりがこの鐘を肩で担いで運んだものだが、
今年の鐘担当のわたしには長時間担ぐのは無理。
木枠の下に取り付けられた小さなキャスターで引きずる。

祭りへの直接参加はほぼ12、3年振りになる。
今年は持ち回り制の自治会役員の年なのである。
前回は鐘はもちろん御輿も「ワッショイ、ワッショイ」と
大人が担いで運んでいた。

この10年の内に御輿までもが大きなキャスターの付いた
専用の台座に乗せられて行進するようになっていた。
まあそれでも大人や子供100人近くがパレードする
祭りという催しは華やかで実にいい気分のものである。

鐘や太鼓、景気のいい声、にぎやかなざわめき。
祭り特有の音や掛け声もいいものだが、
何よりも周りは喜びの色にあふれている。

今年の祭りは天気に恵まれた。
ご祝儀を賽銭箱に入れてくれた家の前では御輿を高く持ち上げて
「ワッショイ、ワッショイ」と景気をつけるので
青空にときおり黄金色の御輿が舞う。

黄金色は何といっても祭りの中心である。
その次に目立つのは揃いのハッピ。
わたしの前で一緒に鐘を引いてくれたのは私の同級生。

彼とは休憩所で振る舞われる酒を酌み交わしながら、
小さなころの共通の思い出をいっぱい話した。
これも祭りのおかげである。

力を合わせて鐘を引きずりながら彼の背中に描かれた
「祭」という太文字が太陽に反射して目にまぶしい。
ブルーの生地に白い枠取りのある真っ赤な文字である。
全員がこのハッピを着ているのだからかなり目立つ。

御輿と大太鼓の周りは紅白の幕で覆われ、
紅白でよじられたロープがふんだんに使われている。

とにかく祭りの日は普段滅多に見ることのない
様々な色が巷にあふれていて、
年寄りには身も心もリフレッシュされるような気がするのである。



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sceneryの風景

長く使っていたテレビ用のレコーダが故障した。
仕方なく新しいレコーダをネットで捜す。

機器の価格はそれほど変わっていないのだが、
機能の高性能化は目を見張るばかりである。

張り切ってかなり上位の機種を購入した。
記憶容量の大きさはもちろん、WIFIが使えるので、
インターネットとテレビのコネクションもできる。

ところがである。家に取り寄せてみると、
家のテレビにつなげない。
インターフェイスが合わないのである。

もう10年以上前になるが、わたしの家のテレビは
70万円以上出して購入したパイオニア製の50インチの画面で、
まだ映りはきれいなのだが、
アナログ式のチューナーしか内蔵していない。

だから外付けのレコーダをデジタルのチューナーとして使い。
テレビはただのディスプレイとして使っていた。

だが、このテレビは入力端子が赤、白、黄色の3ピン端子と
D端子、S端子しかない。
最新型はいつの間にかHDMI端子に変わっている。

チューナのために本体のテレビまで買い替える気も起こらず、
やむを得ず、購入したばかりのレコーダをオークションで売り、
また同じような中古のレコーダーをオークションで手に入れた。

よく調べもせずに購入したわたしの大失敗である。
みなさんも愛着のある古い機器を買い替えるときには、
インターフェイスくれぐれも注意してくださいね。



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