*--*--*--*--*--*--*--*--*--*--*--*--*--*--*--*--*--*--*--*--*--*--*--*
            文章スケッチ   NO.0019
*--*--*--*--*--*--*--*--*--*--*--*--*--*--*--*--*--*--*--*--*--*--*--*

テレビに出る

朝日テレビの「ナニコレ珍百景」という番組をご存知でしょうか。
わたしたち中学時代の同窓生10人が何と、
この番組に出演することになったのです。

中学校卒業以来50年の記念同窓会をやろう、
それも泊りがけでやろうと盛り上がったのが今から5年前。
準備することがいろいろあったので、
幹事はほとんど毎月、定期的にミーティングを持っていました。

ある会社の保養施設を借り切っての記念同窓会は大成功。
この日に合わせて遠くカナダから東京から大阪から金沢からと、
多くの同窓生と泊りがけで久々の旧交を温めました。

同窓会が無事に終わり幹事一同が最後の反省会を開いた時、
「折角こうして毎月会う習慣ができたのだから、
3ヶ月に一回ぐらいこうしてみんなで会わない?」
何気なくつぶやいたわたしの提案が採用された。

定年後の暇人ばかりの集まり、
会えば楽しいので3ヶ月がいつの間にか2ヶ月に1回になり、
集まる人数も10人ぐらいから徐々に増え、
今では隔月に毎回20名〜25名が集まる立派なミニ同窓会に育った。

今年の4月にその同窓会の仲間が花見を兼ねて、
母校の中学校に集まったときのことである。
大阪の茨木市から毎回参加してくれている仲間の一人が、
校門を入ったすぐのところに設置されている時計台が
「かなり変だよね」と言い出した。

地元のわたしは見慣れ過ぎていて、少しも変だとは思わなかったのだが、
言われてみれば、コンクリートで作られた四角錐の時計台。
上に鎮座している時計とその台が今にも落ちそうにかなりずれている。
四角錐の頂上部分を水平にすぱっと切ってわざとずらせた感じ。

「変だ」と言い出したその仲間は、
その時計台の写真をテレビ朝日の「ナニコレ珍百景」に送り、
興味を持ったテレビの取材班が母校に取材に来ることになり、
都合のついた同窓生が10名、再度集合して取材を受けることになった。

1時間余りの取材で、盛り上がったのは同窓会のことや、
わたちたちが高校生時代に吉永小百合主演の映画「青い山脈」の
ロケ地として我が中学校が選ばれたことなどだった。

肝心の時計台のことはかなり低調だった。
何しろわたしたちが中学生の頃はこの時計台はまだ未設置で、
そのいわれを知っているものは誰もいないのである。
どう考えても盛り上げようがない。その理由も結局不明のままに終わった。

取材と撮影を終えたテレビ局からはその後長い間何の連絡もなくて、
もうボツになったのだと忘れかけていたころ、放送されるという連絡があった。
テレビでその放送を見て、さすがにプロの編集だと感嘆した。
少ない材料にも関わらず見事なエンターテイメント佳作に仕上がっている。

「ナニコレ珍百景」のレギュラーである高橋英樹が
「青い山脈」に出演していたことも幸いだった。
初々しい彼が18歳のときである。
当時の映画の名場面や、高橋英樹個人の思い出などもいっぱい散りばめられ、
これは高橋英樹がパネラーだからこそ成立した珍風景だったかもしれません。



----------------------------------------------------------------------
sceneryのひとこと

後半部分だけですが、
わたしの友人がすぐにyoutubeに投稿してくれました。
興味があれば見てください。

https://www.youtube.com/watch?v=DPxt5KKrsvU&feature=youtu.be

テレビに出るということはLINE等を通じて知らせておいたが、
放送の後、携帯のSMSに現役時代の職場の先輩や、
昔、いっしょに頑張っていた英会話の仲間達から数名、
番組を見たよというメッセージが入っていた。

木曜日に定期的に通っているいつもの飲み屋でも
テレビを見たという多くの飲み仲間が。

この調子なら近所や親戚の人をはじめ、文学仲間や学校時代の友人など
全国のあちこちで、あいつまだ生きていて元気にやってるなと
気づいてくれた知人が何人かはいたような気がする。
改めて全国放送のパワーはすごいなと感じました。

でも同窓会はいいことばかりではありません。
この5年間に5人もの仲間が亡くなったのである。
風の噂に聞く訃報とは違って、
頻繁に一緒に飲んで、食べて、語って、カラオケで歌っていた仲間が
次々と旅立ってゆく。

それも男性ばかり。
男性は女性より10歳ぐらいは早く亡くなるという統計は正しい。
わたしたちもそろそろその時期が近づいているのだなと実感させられる。



----------------------------------------------------------------------
発行者 scenery
north@zd.ztv.ne.jp
HP 日常の風景
http://www.zd.ztv.ne.jp/scenery/

----------------------------------------------------------------------
日常の風景が本になりました。ご覧ください。
http://www.geocities.jp/scenery_jp2/book/book.html

----------------------------------------------------------------------
このメールマガジンは、

『メルマ』  (マガジンID: 50779) http://www.melma.com/
『まぐまぐ』 (マガジンID: 79888)   http://www.mag2.com/

を利用して発行しています。

----------------------------------------------------------------------
メールマガジンの退会・解除は
http://www.zd.ztv.ne.jp/scenery/ からお願いします
----------------------------------------------------------------------