*--*--*--*--*--*--*--*--*--*--*--*--*--*--*--*--*--*--*--*--*--*--*--*
            文章スケッチ   NO.0037
*--*--*--*--*--*--*--*--*--*--*--*--*--*--*--*--*--*--*--*--*--*--*--*

使われたカード

日用品の買い物やレストランでの食事など、
我家の買い物はほとんどクレジットカードを使っている。
公共料金の支払いや、アマゾン、楽天、ヤフーなど、
クレジットカードが使える店はほとんどが登録してある。

この間、いつものようにスーパーで果物や、夕食のおかずなどを買い、
クレジットカードをレジのカード読み取り機に差した。
手順はすっかり慣れていて、準備完了のランプが点灯するのを待ってから
差さなくてはやり直しになる。

ところが差した後、いつものような流れが滞っている。
決済手順のリズムがつかえている。
レジの担当は大学生のアルバイトのような感じで、
難しい顔をしてディスプレイをにらんでいる。

「このカード使えないみたいです」
「そんなことないやろ、毎日これを使っているのに、
カードに傷がついたとか、そんなこと?」
わたしには自信があったので声もすこし尖ってくる。

やがて大学生は、もうひとりの担当者を呼んできた。
わたしの後ろで並んでいた買い物客はあきらめて他のレジに並びなおしている。
急遽かけつけてきた担当者も、50過ぎの男性で、
あまりこんなトラブルに慣れていそうもない。

大学生と一緒にディスプレイのメッセージを読んでいるだけである。
結局場所を変えて、クレジット会社の本部に電話をかけてくれたのだが、
電話もつながらないみたい。

わたしも諦めて「もういいです、自分で調べてみます」と、
念のために車のなかに常時保管してある現金を取りに行って支払いを済ませた。

その夜、カード会社に電話をかけて原因を調べてもらった。
メカニックに問題があるわけではなく、担当者がわざと止めたのだという。
これにはちょっとムカッとした。
止めるまでにひとこと声を掛けてもらえばあんな騒ぎにはならなかったはずだ。

でも夜だから、その理由がわからないとあやまる担当者に文句を言うのは
筋違いだろうとぐっとこらえた。
翌朝担当の社員が出勤次第、理由を説明するということで納得させられた。

あくる日担当者から電話がかかってきた。
詳しい本人確認のやり取りの後、最近クレジットで買い物をした詳細を
いろいろと訊かれた。

ほとんどはわたしが日常に消費している商品ばかりで、
思い当たる品物ばかりだったが、その中の一点、
2日前に朝の5時にヤマダ電機で3万5千円の買い物をしているという。

これはまったく思い当たることはない。わたしの買い物ではない。
担当者の反応もああやっぱりという感じで、
同じような手口が他にもあるという印象をわたしは受けた。

結局カードが止められた理由は、なりすましの詐欺に遭遇していた訳だ。
これは文句を言うどころの騒ぎではない、
すぐに止めてもらったことを感謝しなければならない。

3万5千円の損害もカード会社で持つということだったのでほっとしたが、
新しいカードが発行されれば、その手続き、
ガスや電気、水道、税金、アマゾン、楽天、ヤフー・・・
全部登録を修正する必要がある。その作業を考えるだけでうんざりした気分でもある。



----------------------------------------------------------------------
sceneryのひとこと

わたしのパソコンメールには詐欺のフィッシングメールが山ほど届く。
見出しを見ただけではアマゾンとか楽天から届いた通知に酷似しているが、
わたしはかなり注意しているので、こんなメールに、
カード番号や暗証番号を打ち込むことはない。

どこからわたしのカード情報が漏れたのか、まったくわからない。
カード会社の社員も首をひねっていた。
でもカード一枚ですべての買い物ができるという便利な社会になった反面、
このようなリスクには常にみんなさらされているということだろう。

このような犯罪は組織的にやらなくては引き合わないと思われる。
偽造カードを作ったとしても、店員に顔を見られるリスクがあるし、
時間がたてばほとんどバレるはずたから、
そう何回もは使えないはずだ。短期間に大量にということだろう。

情報を盗んだカードでネットで買い物もできるが、
これも品物の送付先はさらさなければならないし、
とにかく、短期間で大掛かりな犯罪組織が動かなければ成り立たない犯罪だと思う。

わたしの推測。こんな先入観と偏見は非常にマズいかもしれないが、
中国の犯罪組織による遠隔地からの指令による犯罪のような気がする。



----------------------------------------------------------------------
発行者 scenery
north@zd.ztv.ne.jp
HP 日常の風景
http://www.zd.ztv.ne.jp/scenery/

----------------------------------------------------------------------
ユーチューブで「おっさん英語」始めました。
https://www.youtube.com/user/scenery1003

----------------------------------------------------------------------
日常の風景が本になりました。ご覧ください。
http://www.geocities.jp/scenery_jp2/book/book.html

----------------------------------------------------------------------
このメールマガジンは、
『まぐまぐ』 (マガジンID: 79888)   http://www.mag2.com/
を利用して発行しています。

----------------------------------------------------------------------
メールマガジンの退会・解除は
http://www.zd.ztv.ne.jp/scenery/ からお願いします。

----------------------------------------------------------------------