義犬塚(いぬづか)


お堂にはお地蔵さんが祀られています。お堂の脇にも「地蔵尊」、[五輪塔」があります。地蔵尊には天保5年(1834)の年号が刻まれています。五輪塔にも天保5年とあります。
伝説では、よく慣れていたはずの犬が吠えかかってきたので、飼い主がその首を切り落としたところ、犬の首はそのまま背後にいた大蛇に噛みつき、飼い主を救ったということで、義犬塚と言われています。
このお地蔵さんは、ハシカや授乳の障害、首から上の病気などに霊験著しいとして昔から厚い信仰を集めていますが、このお地蔵さんにはこんなお話があります。


往時長野氏の家来に「鹿間」という一人の武士がいました。彼は猟が好きで、暇が出来ると犬を連れて山を歩き、獣を追っていました。良犬が欲しいと思うは猟師の常。観音様に祈請して見事な犬を手に入れ、猟に励んだある日のこと、犬が吠えに吠えて、進もうとする鹿間氏を噛もうとする勢い。遂に、腰の刀で犬の首をはねたところ、犬の首は空を跳んで、大木の枝でこちらを狙う大蛇の喉に噛み付きました。犬の忠義に感じ入った鹿間氏が、この地に首を葬りお祭したと言うのです。





   案内地図へもどる                    見どころへもどる