ササユリの育て方

場所

ササユリの自生している環境に近づけることがポイントになります。
春はよく日光に当てて、5月下旬頃より木漏れ日の差す明るい木陰や昼頃から半日日影の涼しい場所が適します。(初夏〜初秋:30〜50%遮光または昼ごろから日陰)夏に土中の温度が上がらないようにする工夫として、鉢まわりを他の植物等で陰にしたり二重鉢にして鉢内の高温を防ぎます。
多雨期には葉の病気が発生しやすいため、できれば雨にできるだけあてないようにするのが理想です。
日光不足や、極端な高温、低温によって花が付かないことがあります。

土壌

排水性がよく保水性のある清潔な土(市販の用土等)で、また肥料分の少ない土が適します。
参考までに、市販の鹿沼土と赤玉土(2:1)を基本として、1割程度のピートモスまたは完熟腐葉土等を混合。また、保水と吸水をもたせるためバーミキュライトを1〜2割程混合すると管理しやすいです。
有機物の少ない酸性を好みますので市販の花のプランター用土、石灰等の混合は生育を悪くさせます。
花壇等地植えは水管理は容易になりますが病虫害が多いため枯れてしまう可能性が高くなります。

植え付け

購入された球根(冷蔵処理球根)はすぐに植え付けを行います。
すぐに植えられない時は数週間は冷蔵庫の野菜室で保存できます。長期間、冷蔵庫で保管すると発芽が促進されモヤシのように芽が出てしまう場合があり、その後の生育不良の原因となります。
植える深さは、球根の約2〜3倍で、容器は鉢植えの場合はプランター等のやや大きめの深いものを用いるとよいでしょう。
腐敗防止のため定植前に球根を殺菌剤につけるとよいでしょう。
球根は乾燥に非常に弱いため、殺菌処理後は数時間乾燥後すぐに定植してください。

水やり

適度の湿り気を一年中保つ事がポイントです。特に乾燥の激しい夏期、地上部が枯れた冬季の水切れに注意します。
乾燥しすぎは球根がしなびて枯れてしまいます。排水の悪い用土での水の与えすぎは球根の腐敗の原因となります。

肥料

基本的に肥料は少量でよいです。多肥は球根(根)と葉が傷み枯死の原因となります。
真夏をさけた初春から初夏と秋に、月数回薄い液肥(花壇用の草花用濃度のさらに2〜3倍に薄めた濃さ程度)を与えるか緩効性の肥料を定期的に少しづつ与えます。
基肥を与えるときは、ほんのわずかにし、3月頃から5月上旬まで少しずつ追肥で与えると失敗が少ないです。6月〜9月は肥料は控えます。また、葉が傷んで落葉している場合は肥料は与えません。    

防除

発芽時期のナメクジ等の害虫に注意します。芽を食害されると葉や花が付きません。また球根が小さくなり翌年開花が見られなくなります。初期の場合は芽が出てきません。予防として市販のナメクジの薬を定期的に散布します。
ウイルス病に非常に弱いので、ウイルス病を媒介するアブラムシには、特に気をつけましょう。発芽時期、蕾の時期に殺虫剤を予防散布します。
5月〜6月頃は毛虫類による食害(蕾、葉)が出やすい時期になります。
栽培環境や天候によって、春から梅雨の間の長雨時期に、葉の病気(褐色の円い病斑)が発生し落葉することがあります。定期的な殺菌剤の散布で予防してください。
初夏から秋にかけてコガネムシの幼虫に注意します。定期的に土中用の殺虫剤散布で予防します。

楽しみ方・増やし方

6月頃開花します。切り花、鉢植えとして玄関、リビング等で花、香りを楽しめます。
切り花にする場合は、下葉を5枚以上残して切ることが翌年も楽しむポイントとなります。(葉を多く残すほどよい)
種で増やす予定のない場合は種を付けると球根の肥大を妨げるので終わった花(子房)は取りのぞきます。
12月頃茶色くなりかかった種さやを採種して12月頃種を蒔きます。種から花が咲くようにするまでの管理は非常に難しいですが、上手くいけば6〜7年後には開花が見られます。

その他

秋まで葉を数枚保たせることで球根が大きくなり、翌年も花を咲かせるポイントとなります。十分な日射量は必要ですが、葉が黄色くならないように6月からの強い日差しを避ける工夫が必要です。
基本的に球根1個から1年に1回しか発芽しません。また球根が増えることはまれです。
茎が折れたり食べられると球根が弱ったり、翌年開花しなかったりしますので注意してください。
花がもし付かなかった場合でも葉が付いた状態で秋まで大事に育てると翌年開花の可能性が高くなります。
2〜3年に1回新しい用土に植え替えをしましょう。
秋から春の発芽までに肥料を与えすぎたり、灌水不足の状態にすると発芽しないことがあります。また、発芽しても生育不良の状態になります。





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