赤牛岳・水晶岳・三俣蓮華岳(2日目)

赤牛岳
赤牛岳

【日 時】2003年 8月 1日(金)
【天 候】晴れ
【山 名】赤牛岳(2864m)・水晶岳(2986m)・三俣蓮華岳(2841m)
【山 域】長野・岐阜・富山
【ルート】 (5:30)三俣山荘--(6:40)岩苔乗越--(7:20)ワリモ乗越--
(8:20)水晶小屋--(9:00)水晶岳--(10:00)温泉沢ノ頭--
(12:10)赤牛岳--(14:30)温泉沢ノ頭--(15:40)水晶岳--
(16:20)水晶小屋--(17:30)ワリモ乗越--(19:00)三俣山荘
【所要時間】13時間30分
【メンバー 】単独


一つの布団に2人が寝るのは初めての経験だったので、充分な睡眠は得られなかった。幸いにも前日来る時に一緒だった単独行が隣だった。夜間、雨が降っていたが夜明けには揚がり晴天の朝を迎えた。山荘前からは槍ヶ岳・北鎌・大天井/三俣蓮華/鷲羽・ワリモ・水晶/祖父が望まれた。
鷲羽 槍ヶ岳
鷲羽
槍ヶ岳
朝食と連泊の予約を済ませる。身支度を整え出発する。キャンプ場から下り、黒部源流部の石標に達する。支谷から本谷に移り、雲ノ平の分岐を左に見送る。谷は雪渓で埋まっている部分もあり、今年は気温が低いことを想起させる。谷の遡行となり、雨後の早朝で葉から雫が滴る。振り返ると対面に三俣蓮華が伸びやかに見える。谷が細くなり、岩苔乗越に達する。祖父方面から空身の単独行が登って行く。左に黒々とした水晶岳が現れる。

ひと登りでワリモ乗越に達する。鷲羽・ワリモからの縦走者が俄然、多くなる。山荘で一緒だった単独行のザックが先に見える。鷲羽を登って来たが、足の調子が良くないとのこと。水晶小屋のある中岳には、デポしたザックが多く、小屋は既に人で一杯だった。大きなザックの裏銀座から来た人が息を吐きながら到着した。
三俣蓮華 水晶
三俣蓮華
水晶
指呼の間に見える水晶岳に比べ、赤牛は遠くに感じた。平坦な道を進み、少し下ってから岩場となる。岩場帯だが道はハッキリしている。皆、軽装で頗る俊敏である。狭い山頂だが十数人が賑やかに寛いでいた。眺望は素晴らしく、殊に、ここから見る黒部五郎は青空に雪渓が映え爽快な印象を受ける。

視界は素晴らしいが、先が長いので、早々に山頂を後にする。三角点のある対面の北峰を踏んで行く。石に書かれた赤牛の表示を過ぎると、一気の急なガレ場になる。踏み跡も薄めとなり神経を遣う。この急なガレ場を再度登る事になると考えるとウンザリする。下り切ってからはアップダウンの岩場の稜線となる。神経を遣いながらも、1時間ほどで温泉沢ノ頭に着く。

このルートに足を踏み入れる人は少なく、若い女性の単独行がユックリ休んでいた。東には野口五郎から三つ、西には薬師岳の大きなユッタリとした山が、眼下に高天原の赤い山荘が望まれた。黒部湖も望まれ、目指す赤牛岳は、ここからは緩やかな稜線をなし、直にでも行けそうに思えた。
野口五郎 薬師
野口五郎
薬師
一旦下った後、小さなピークがあった。ルートはピークを捲くように走っていたが途中で丸印が消えてしまった。印は無くなったが踏み跡は続いていたので暫く辿る。捲ききったところで、間違った踏み跡と気付き、稜線まで這い上がる。思わぬところで体力を使ってしまった。一見容易そうに見える山陵、山を決して侮ってはいけないことを思い知らされる。

最低鞍部に達し、また登り返し、大岩の間を進む。ピークの右から捲き道に入る。赤い赤牛岳が姿を現すはずであったが、東側から雲が沸き、西側のみが見える状態となった。平坦な道を暫く進み、なだらかな最後の登りになる。西側からもガスが発ち始め、山頂に達した時には遠望は効かなくなってしまった。ここまで思わぬ体力を使い、帰路も登り返しが厳しいと想定されたので、早々に山頂を後にする。

予想どうり最低鞍部から温泉沢ノ頭、水晶岳への登り返りは厳しいものとなった。温泉沢ノ頭と水晶岳の間で単独行と行き交うが高天原に降りるとのことだった。このコース、夏の盛期にも拘わらず私が出合ったのは2人のみだった。

水晶岳の山頂には烏帽子から来た夫婦がいた。水晶小屋は満員で断わられたと言っていた。携帯が入るゾーン(Jフォン)となり、会社から仕事のメールが入っていた。こんな場所でこんな時に仕事の事を考えることになるとは。頭が痛くなった。

ワリモ乗越で行き交った人は折立から黒部五郎・鷲羽を越えてきたと言っていた。時間も遅くなり、ルート上には人も居なくなった。黒部源流まで急いで下る。雲はあったが幸いにも遅くまで晴れ間があり日光が射していた。三俣山荘への登りは一歩一歩が辛いものとなった。日没後なんとか三俣山荘に達し、食事にありつく。


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