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三重県津市安濃町草生2008
陶工房 SORA 
土田 空 
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窯造り

土物の陶器をやっている者にとって、薪窯を一度はやってみたいと心の何処かで思っている人がほとんどではないでしょうか。
私も以前から須惠器みたいなものをやってみたいと思っていましたが、時が熟さず今に至ってしまいましたが、ようやく動き出しました。
けれども普通の穴窯を造るには土地の広さの問題、経済的な問題、体力的な問題など色々考え、一人でも焚けるガスバーナーを併用して薪もくべれる小さな窯、作品が入る量は0.3立米ぐらいのものを造る事にしました。
初めてなので色々な人から情報を集めながら自分なりの考えも入れながら何とか造れました。
バーナーと煙突は中古で、溶接等は窯屋さんにしてもらいました。

登り窯の一室の様なもので、横から薪をくべ、前からガスバーナーで補助的に焚けるようにしました。


窯焚き

一回目 2004 夏
薪は常に簡単に安く手に入るものと思い、近くの製材所から柱などに製材した残りの木っ端を束ねてあるものを手に入れ、細かく切っていきました。材は杉がほとんどだと思いますが、以前薪窯を焚いてる常滑の作家さんに聞いたら杉で焚いていると聞いて、杉でも温度を上げる事が出来るしバーナーで補助すれば何とかなるだろうと思いました。
初日の昼から焚き始めて、夜の11時ぐらいには900度になりました。
それでガスバーナーをつけてガス圧とダンパーを調節し、温度が下がらない程度にして眠りました。
翌朝9時で830度ぐらいでした。そこからガスを止め薪だけで1100度ぐらいまで行きましたがそこからなかなか温度が上がらず、又バーナーもつけ、薪もくべましたがいくらやっても温度が上がらず、ガス圧をどんどん上げてゆき、窯の熱さで体もバテ、最後はバーナーだけで、ボンベのガスがなくなるのをボーっと見ているだけでした。
とにかくバテル!熱い、夏だからなのか、体が持たない。みんなこんな辛い事してるのか?
かくして初窯は失敗に終わりました。
せっかく金かけて造ったのに\-どうにかしなければ。

後日、レンガ等買った窯やさんが、仕事帰りに見に来てくれて、火盾の下の方の隙間が空きすぎていて、炎が窯に貯まらず下から煙道に抜けている。と指摘される。確かに下を意識して開けていて、下が暖まらないと窯の温度が上がらないとの話も人から聞いていたので、、、、
窯の熱さも何とかしなければと考え、やはり普通穴窯は赤土などを窯の表面に塗っているなと思い、何人かの人に聞いてみると、土を塗るとその分も焼かなければならないので、温度が上がりにくいと言う人や、熱い中気合でやり抜くのが窯焚きだみたいな話まで、まあー色々だな−と思いました。でも自分としては熱いのはかなわないので、熱効率も考え、断熱煉瓦のイソライトみたいに気泡が沢山あれば良いのではないかと思い、赤土の中にモミ殻を混ぜて空気の粒で断熱効果を上げる事を考えました。

二回目 2004 秋  
一回目の教訓を生かし、火盾の下の方はかすかに隙間を作りあまり炎が下から抜けない様にし、火盾を窯の高さの半分ぐらいまで積んで窯焚きを始めました。前回と一緒で夜寝る時はバーナーを点け、翌朝830度ぐらいから薪だけに切り替えました。やはり1100度ぐらいまでは何とか温度が上がりますが、そこからはなかなかあがらず、やはり松の薪でないと上がらないのかなーと思いました。薪のくべ方や量、煙道の下の炎の排出する量を調整するダンパーなど考えて手を加えましたが、バーナーを頼る事にしました。バーナーのガスの炎の火力は薪に比べたら弱いものですが、火力が安定し、そこに薪をチョコチョコくべていけば良いと思いました。
還元炎を保ちながら、温度を上げてゆくには、色見穴などから薪をくべた時に炎が噴出し、強還元炎となり温度がかなり下がり、それからすこしづつ温度が元に戻ろうとすると同時に噴出していた炎も出なくなり、酸化炎になって行きます。どのタイミングで薪をどのくらいくべるか。薪をくべすぎても、ゴーといって煙突から炎が出すぎて熱が逃げるばかり。薪をくべるタイミングも炎が色見穴から出なくなる寸前にくべるか、しばらく酸化炎となり温度が上がりきって下がり始めてからくべるか、色々考え色々ためして、どれで温度が上がったとは云えないけれど、それでも温度は少しづつ、上がってゆきました。
同じ焚き方をしていてなかなか温度が上がらないとあせっていると何かの拍子に上がり始める事もありました。
それでも1180度から1200度くらいで行ったり来りで温度が上がらづ、窯の中の熱量はどのくらいかと思ったけど、測定するぜーゲル推をいれるのを忘れ、2・3時間この状態で焚いていれば何とかなるだろうと、火を止めました。
二日後、窯を開けてみたら、物は焼けてはいましたが何の変哲のない、灰被りも炎の変化もないつまらない物でした。
こんなんじゃ薪窯造った意味がない!どうにかしなければ!


回目 2004 冬 
前回失敗した物をほとんどそのまま詰め直して、もう一度窯焚きしました。
今回良い感じに焼けるか、なんの見通しもないまま、もう少し温度を上げて、もう少し薪をくべる量を増やそうと思いました。
焚き方は前回と同じで、ガスのバーナーと併用して、薪をくべて行きました。
あまりガス圧を上げづ、薪の量を前より増やしました。
1180度ぐらいからなかなか温度が上がらづ、しばらく粘ってから、どのくらいのカロリーになっているのかと窯の中のぜーゲル推を覗いてみたら、SKの6・7・8・9が倒れていました。SKの9まで倒れているとは、驚きでした。温度で云ったら1280度を越えている事になります。もう充分な温度だと思い、あわてて火を止めました。
二日後窯を開けて見ると、場所によっては灰がまあまあかかり、火色の変化もあって思った以上に面白い物が焼けました。
でも前回よりも温度がやや低かったのに、灰被りがあったのか?焼き直しだったから低い温度でも器が焼けていて、灰が溶けて付きやすかったのか、。
何がなんだか分からないままむやみに窯を焚いているような感じです。
温度計も窯に差す、温度計の棒が炉内に1pも出ていないので、温度が正確でないんだろうか、それとも炎が直接あたる所とそうでない所とでは温度の差があるんだろうか?、、、、

4回目 2005 冬
ガス代が2004年暮れから値上がりしたので、なるべく薪を使って焚かなければと、それにはやはり松の火力のある薪を手に入れなければと思い、ました。
ちょうど冬で製材屋さんも梁に使う松の木を製材する時期なので少し手に入れる事が出来ました。
二日目の朝から松を使い順調に温度も上がって行き、窯焚きにも少しづつ慣れて来て、だいぶ楽になりました。
一人で窯を焚いているので、薪をくべた後の数分の間に、お昼のおにぎりを食べたり、お茶を飲んだりしています。
今回は窯が焚けた後に窯の中を燻して炭化させ須惠器のような黒い器肌にしようと思ってます。
実は前回の二回も、焚けた後薪をくべて、窯の隙間などを塞いだりしながら炭化させようとしましたがうまく行きませんでした。もっと薪をくべるか、薪がすぐに燃えないように丸太をくべるか、炭素が器に付着しやすい様にあまり焼締まらないような時に火を止めて、炭化させるかなど考えました。
温度計の棒を今回は2・3cm窯の中に出し、1180度ぐらいでぜーゲル推SK7番が倒れたぐらいで、火を止め、プラスチックのコンテナに、丸太の木っ端3杯をくべて炭化させました。始め焚き口から炎が噴出してくるんじゃないかと思っていましたが、意外と出てこないので調子に乗って3杯もくべました。
くべ終わってからあわててダンパーや焚き口を塞ぎ、隙間から煙がモクモク出てくるので、粘土やモルタルで塞ごうと思いましたが、熱いしあっちこっちから出ているのでもう無理だと思いそのままにしていました。ある程度の時間煙が出ていてくれていたらそれで良いだろうと思いました。
でも家のご近所さんにはどう思われるだろうかと心配でした。小屋の周りから黒い煙が漂っているし、酸欠状態でくすぶっている煙の臭いはかなりきつい感じだったし、よそから越して来た自分としてははらはらドキドキです。
二日後、器は黒くなっていました。これで炭化のやり方、薪のくべる量が何とか分かりました。でももう少し灰のかかった感じや炎の変化が欲しいかな、今回はやや低い温度だったので次回はもっと温度を上げて長めに焚こうと思います。



その後
その後何度も窯を焚き、色々なことも試して見ました。1200度以下でも焼締まる土を使ってみたり、窯に塩を入れたらどうなるか試して見たり、酸化焼成で焼くにはどうしたら良いのか何度も試してみたりしました。
ガスバーナーを使わなくても杉・檜だけでも一日で焼けるようになりました。大まかに言うと、木の杭などを作っている所で破材や使えない丸太をもらってきて、1000度くらいまでは太いのをくべ、1100度くらいまでは中ぐらいの太さの短めの物をくべ、1100くらいからは細くて短い物を、炎が噴出し穴から出てだんだんと炎がひき始め、温度が上がり始め、温度が下がり始めたそのぐらいに、煙道からゴーと言う音を出して噴き出さない程度に、こまめに、燃焼効率が良い程度に薪をくべてゆくと、還元焼成で温度も上がりやすい気がします。それで途中温度が上がりずらくなったら、温度を上げる事を考えづ、太めの丸太を何度かくべ、おきを作ってからまた細い薪をくべてゆくと、温度がまた上がります。窯を造る前はおきが溜まり掻き出さないといけないかなと思っていたけれど、この窯はおきがたまりづらいです。もっとじっくりと時間を掛けて窯自体を焼いて行く様な炊き方なら、ちょこちょこと薪をくでないでいいのかも知れません。

窯作りも、窯焚きも色々な条件やその人の経験、考えがあってこれが正しいと言うものはないと思うので、みなさんも一度チャレンジしてみたら面白いと思います。楽しいような苦しいような楽しいような、、


                                  2007年 3月