和食器、陶器の扱い方
陶器は磁器に比べ焼きしまりが甘く、一般的に粘土は粒子の粗いものとなっております。。
それが陶器の暖かさや、軟らかな雰囲気ともつながっています。
その為、どうしても器のもろさや水の浸透性との兼ね合いが出てきます。
陶器でも赤土の粒子の細かい良く焼き締まった器がありますが、どこか味気ないものを感じます
陶器が日本人に愛されるのは、移り行く物の中に、完全
ではないものの中に日本的な美意識や、死生観がある
からだと、思います。
だから一つの器を愛でるとき、そこに一つの安らぎが生
まれてくるのだと思います。

●和食器、陶器の高台のざらつきについて
窯だし後にこちらで高台の底を、砥石で充分に磨いておりますが、もしテーブルに傷がつくようでしたら、お客様の方で、砥石や平らなコンクリートなどで底を磨いていただければと思います。
それでもテーブルの材質などによりましては、傷がつく可能性もあります。
●陶器の釉薬の貫入について
表面のガラス質のところに貫入(ヒビ)が入っている場合、そこから茶渋や油分が浸透してゆく可能性がありますので、お買い求めになられたらまず2、3十分ぐらい水に浸けていただければと思います。
水に浸けても、多少は使っているうちに変化しますので、その辺はご了承下さい。
普段使う分には、その都度水に浸ける必要はないと思います。ただし上釉のかかっていない、土そのままの焼きしめ物は、その都度水に少しさらしてからお使い下さい。
●陶器、焼き締め・粉引きの煮沸について
人によると購入後まず初めに煮沸すると言う人がいますが、煮沸すると芯まで水分が浸透してしまい、器が重くなったり、色が変わってしまいますので、自分としてはお勧めいたしません。
●収納について
普段使っている分にはかまいませんが、長く使わずに収納する時や、食器棚などの密閉された所に長く置かれる場合には、良く乾かしてから収納してください。
梅雨などの湿気の多い時期には気を付けてください。(陶芸家も色々な土を使っていますので物によってはカビが生える可能性があります。私のは大丈夫だと思いますが、悪い条件が重なれば可能性はあります。)
●銀彩について
銀彩の上絵をしてるものに関しては、時間の経過と共に変色したり、使っているうちに変色してきます。もとの色は銀の明るい色合いですが、黒ずんだり、金色っぽくなったりしています。その色合いが気に入っているのでしたらそのままお使いください。
元の色合いに戻したいのでしたらクレンザーなどでかるく磨いてください。そしてまた、少しずつくすんできます。
銀彩は毒では在りませんので安心してお使いください。
●茶渋について
お湯呑みなどの表面に茶渋などが付きますが、クレンザーなどでよく磨いていただければきれいになります。