百姓養成塾 事業内容

百姓養成塾−むらを次につなげる百姓になろう!

かご作り 餅まき

 ほんの数十年前まで日本中に、等身大のくらしが息づいていました。例えば、沢から水をひき、山で薪を集め、牛を飼って田を耕す・・・。自らの力と周りの人々との協力により、その時そこにある身近な資源を活かして、つつましく、しかし力強く生きてきた人々。
 彼らを、心からの敬意をこめて「百姓」と呼びたいと思います。
百姓の営みは、あまりにも当たり前でさりげない日常だったためか、その価値を実感されぬまま、高度成長期以降の「生活水準の向上」にともない急速に姿を消していきました。高度成長に取り残され、過疎化・高齢化でいまや「限界集落」とされるような地域にこそ、百姓として生きる知恵・技術・心が色濃く残っています。
 そのような地域のお年寄りがおられるうちに日本中の田舎とそこにある百姓としての暮らしを守り受け継ぐ輪を広げ、そのために一緒に模索・活動する若い仲間を求めています。



ニオ(牛のえさ)  祭の準備

■活動内容■
周りのむら人と日々ふれあいながら、家屋敷を管理し、田畑を耕し、四季を通じたむらの暮らしを実践的に学びます。
*特にこちらでカリキュラムを用意しているわけではありません。自身の関心に併せて行動していただきます。


■実績■
2007 年4 月〜2008 年 3 月:5 名(うち4 名が今も色川に居住)
2008 年4 月〜2008 年10 月:1 名
2009 年5 月〜2010 年 1 月:1 名
2010 年4 月〜2011 年 3 月:1 名
その他、1 週間程度の短期滞在を随時受け入れ

むらの教科書づくり−このむらに眠る宝物を掘り出そう。

聞き取り中  足踏み脱穀

 普段テレビや書籍などで目にすることはあっても、実際に触れることの少ない「むら」。
 そこには、人と人、人と自然とが共に生かしあう関係の中で脈々と受け継がれてきた、 私たちの知らない文化― 技術・知恵・心―が色濃く残っています。
 しかし、そのような文化は時代の流れと共に、日本中から消え去ろうとしています。 むらに残る大切な「宝物」を次の世代につないでいきませんか。

■活動内容■
 学生がむらに滞在し、お年寄りへの聞き取り調査や一緒に作業をすることを通じて、知ったことや感じたことを参加者で協力してひとつの「むらの教科書」をまとめます。 この活動を通じてむら本来の大切なものを、学生・お年寄りの双方がそれぞれに受け止め、それぞれの立場から次につなごうという動きが生まれることを重視しています。

■過去実績■
2008 年度 11 名(和歌山大、京大ほか。1 人あたり滞在期間は約1 週間)
2009 年3 月 東京・田辺・色川小阪集落にて報告会開催(各回約50 名の参加)
※2009 年度は「わがらで地域づくり」プログラムとして、色川地区内では
集落支援員や他団体との連携、さらに近隣他集落(古座川町・西川、熊野川町・小口)との連携を図っている。

今後の展望

鍛冶屋さん  建具屋さん

 百姓が独りでは生きていけないように、「むら」も単独では生きていけず、色川だけのことを考えていても問題は解決しません。周りの他のむらと、麓のまちと、ひいては熊野一帯で…
 それぞれの範囲にふさわしいつながりを保ち、生かしあう関係ができること、そうしたつながりが日本中あちこちでしっかりと保たれていくことが夢です。
 「わがらで地域づくり」プログラムのなかで、周りのむらにも学生の調査滞在を受け入れてもらうところから連携のありかたを探っています。
 近くのまちに今なお残る職人さんたちが、跡継ぎを育て、仕事を続けられるしくみづくりも模索し始めています。



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