姉川沿岸土地改良区

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小水力発電について

1.国の動き

 平成23年3月の東日本大震災での原子力発電所事故を契機として、安全を第一に、国民生活や産業活動を支えるエネルギーを安定供給するため、「再生可能エネルギーの固定価格買取制度」(平成24年7月~)、「第4次エネルギー基本計画の閣議決定」(平成26年4月)、「電力小売全面自由化」(平成28年4月~)など、国のエネルギー政策は持続可能な新しいエネルギー社会の実現に向けて急速に変化しています。

2.県の動き

 滋賀県では、エネルギーを巡る新たな状況の変化に的確に対応しながら「原発に依存しない新しいエネルギー社会」の構築に向けた長期的、総合的かつ計画的なエネルギー政策を推進していくため「しがエネルギービジョン」が平成28年3月に策定されました。
  その「しがエネルギービジョン」の中で、農村地域における農業用水等の身近な再生可能エネルギーを活用して、農業水利施設の維持管理費軽減等も図りつつ、滋賀らしい新たな農山村振興の実現と小水力発電の普及促進を図ることが、方針のひとつに掲げられています。

3.土地改良区で発電事業に取り組む意義

 本土地改良区の受益面積は、設立当初は856haありましたが、その後、受益地の見直し、農地の開発に伴う転用等により、現在は513ha(H30年)となり、土地改良区を支える組合員も減少しています。このような状況の中、土地改良施設も60年が経過して、老朽化した施設の維持管理や再整備の財源確保が課題となってきました。
 その解決策として、本土地改良区の用水路を活用した小水力発電事業の可能性を以前から研究しておりましたが、このたび、固定価格買取制度をはじめとする補助制度を活用し、国・県・市からもご支援をいただいて、ついに念願の事業化を果たすことができました。

4.将来に向けて

 伊吹山系の豊富な降雪量を背景に、年間を通じて豊かな水を湛える出雲井を水源とする本土地改良区の用水路網は、小水力発電を実施可能な箇所がいくつもあるという意味で、未活用の「宝」です。そこで、平成29年9月に竣工した米原市小田(やないだ)地先での姉川エコ発電所を「1号機」と位置づけ、今後も引き続き、2号機、3号機、4号機を順次実現すべく、積極的に取り組みを継続していきます。今後の小水力発電所整備においては、発電事業による収益金を活用しながら、老朽化した用水路施設の本体整備と一体的に進めていく所存です。

姉川エコ発電所(1号機)について